外壁塗装の下地調整と使用材料について
外壁塗装は、塗装前の下地調整がとても重要です。ここでは、下地調整に関する基本的な知識と使用する材料や道具について解説していきます。
下地調整の流れ
外壁塗装工事では、工事開始時に足場の設置が行われます。その後、下地調整が始まります。下地調整の主な工程は、高圧洗浄、下地補修、下地調整、養生となっています。
下地調整の各工程のポイントと使用道具
・高圧洗浄
高圧洗浄機を使って、外壁に付着した苔、藻、カビなどを洗い落します。古い塗膜が残っていた場合もしっかりと除去していきます。水道水で高圧洗浄をしますが、バイオ洗浄を併用すると、苔やカビの汚れを根こそぎしっかりと落とすことができます。
・下地補修
塗装前に建物本体「躯体(くたい)」の補修を行います。10年以上経過した建物では、外壁や外壁内部、建物内部の下地などが劣化していたり、破損・腐食していたりすることが多いので、補修箇所が確認できたら、その箇所に応じた補修を行います。
クラック補修、浮きや破損の補修、劣化した目地シーリング・ジョイント部の補修が行われています。クラック補修では、セメントフィラー、フィラー、サンダー(電動カッター)、プライマーが使われています。
外壁の浮きの補修では、エポキシ樹脂を注入します。コンクリートの鉄筋の爆裂補修では、鉄筋の錆びを取り除き、防錆処理をして埋め戻します。エポキシ樹脂モルタルやポリマーセメントなどを使用します。
シーリング補修では、カッター、マスキングテープ、プライマー、シーリング材、ボンドブレーカー、ヘラなどを使用します。
・下地調整
外壁部分と付帯する木部や鉄部の塗装前調整を行います。ケレン作業では、汚れや鉄部の錆びを手作業で落としていきます。電動サンダー、サンドペーパー、ワイヤーブラシなどの各種道具を使います。
下地をきれいにして、塗料が付着し、密着度を高めるために小さな傷をつける作業がケレンによる下地調整です。シーラーは、塗料の吸込みを抑え、密着性を向上させます。フィラーは、ひび割れを隠し、下地の不陸を補修します。シーラー機能を兼ねたフィラーもあり、セメントや樹脂製が多くなっています。錆び止めのプライマーは、鉄部やアルミに塗装し、錆び止めと塗料の密着性を高めるために使用します。
・養生
外壁塗装前の養生作業は、とても重要です。サッシや窓などの塗装しない箇所には、塗料が付着しないようにビニールでしっかりと覆います。外壁だけではなく、植栽、門扉、カーポート、玄関部分、アプローチの床面もビニールで保護します。
ガスやエアコンの室外機などの屋外に設置されている設備機器などもしっかりと養生していきます。マスキングテープ、養生シート、マスキングテープと養生シートが一体化したマスカー、クルマやバイクなどの特別なモノの専用養生カバーなどがよく使用されています。
AKIHIKO ICHIKAWA