サイディングボードなどの外壁材の使用時、ボードとボードの間の目地を埋めるために、必ずコーキング(シーリング)を施工しています。コーキングは、建物を保護していますが、10年ごとにメンテナンスが必要な重要な材料です。ここでは、シーリングの種類や補修方法などについて解説します。
コーキングは劣化しやすい?
コーキングやシーリングは、呼び方が異なるだけでほぼ同じ目地材のことを指していると考えていただいていいでしょう。外壁補修や各種リフォームでは、打ち合わせ時に「コーキング」と呼んでも、「シーリング」と呼んでもどちらの言葉でも伝わります。
コーキングは、サイディングボードだけではなく、タイルやALCパネルなどでも必ずといっていいほど目地材には使用されており、外壁リフォームや外壁塗装では大変メジャーな材料です。
また、モルタル外壁のクラック補修にもコーキングが使用されています。目地材としてのコーキングは、外壁材の揺れや振動、ズレなどを吸収して微妙に調整できる柔軟性を持ちあわせています。
コーキングそのものに高い伸縮性があり、触るとほどほどの弾力性があることがわかります。しかし、5~10年ほどで、ひび割れ、肉やせ、剥がれ、破断などの劣化症状が見られるようになります。
そして、柔軟性がなくなると硬くなり、ひび割れが生じます。コーキングが肉やせしたり、剥離したりすると、隙間から雨水が入りやすくなるので、気づいた段階ですぐにコーキング補修工事を検討するようにしましょう。
コーキングの補修方法
コーキングの補修方法には、「打ち替え」と「増し打ち」の2種類の方法があります。
・打ち替え
古いコーキングを全て剥がし、新しいコーキングを充填していきます。耐久性の高いコーキング材を使えば、耐用年数も10~15年程度に延びます。隙間がきちんと埋まると柔軟性が高まりますし、防水性も向上します。一般的には、コーキング補修は、強度の問題から「増し打ち」よりも「打ち替え」のほうがよいとされています。
・増し打ち
施工にかかる時間や費用を抑えたい場合は、コーキングの増し打ちが行われます。しかし、強度が弱く、奥の古いコーキングとなじまない場合は、新しいコーキングが剥がれやすくなってしまいます。そのため、耐久年数は、長くて5年程度と、補修しても逆効果になることがあります。
コーキングの補修費用相場
コーキングの打ち替え、増し打ちの工事は、単独で行われることは少なく、たいていは外壁塗装時に同時に行われています。劣化具合に関わらず、耐久年数に近くなっていたら、増し打ちよりも打ち替え工事を行うようにしましょう。コーキングの打ち替え費用は、1メートルあたり、900~1200円です。また、古いコーキングの撤去費用が~3万円程度余分にかかります。
一方、コーキングの増し打ちの費用は、1メートルあたり、500~900円です。注意点としては、コーキング補修を単独で行うと、2階以上の作業で足場が必要となることが多く、15~20万円の足場代が余分にかかることです。また、コーキング材は、耐久年数が10年以上の長めの材料を選ぶと、長持ちし補修や交換作業が少なくて済みます。
AKIHIKO ICHIKAWA