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施工前に必ず確認すべき塗装工程の流れ「下塗り・中塗り・上塗り」
公開日:2018年11月30日 カテゴリー:田方郡函南町


施工前に必ず確認すべき塗装工程の流れ「下塗り・中塗り・上塗り」


外壁下塗り


 一般的な塗装工事では、3回(3回以上)の塗装工程が絶対に必要で、塗料メーカーでも塗料ごとに指定の塗り回数が定められており、きちんと公表されています。

 業界では三度塗りとか三回塗りといった言葉を使っていますが、その内容とは「下塗り・中塗り・上塗り」の3回の工程のことを指しています。

 あらかじめ3回塗りが指定されている理由としては、手順通りに丁寧な作業を行えば塗料の塗膜の性能が最大限に発揮されることがわかっているからです。

 どんなに優れた塗料であっても、手順や工程を守って作業を進めていない場合は、施工後の塗料の塗膜に不具合が発生し、やり直しになってしまいます。

 よく知らない方も多いので、ここでは、塗装工事で3回の塗装工程が必要な理由などを塗装工程の流れに沿って解説していきます。



外壁塗装ではなぜ3回の塗装工程が必要なのか?


 屋根や外壁などを対象とした塗装工事では、下塗り、中塗り、上塗りの3回の塗り工程が必要だと言われていますが、これは本当なのでしょうか?

「塗装だけなら1回で済むはずだから余分な作業ではないか?」

と考えるのは、塗装についてよく知らない人になってしまいます。

 3回塗りといっても各塗装工程は同じものではなくよく確認すると、それぞれに重要な役割があり、順番を間違えてしまうと必ず失敗します。

 例えば、最初の工程である「下塗り」は、外壁素材と塗膜を繋げる大切な役割を担っています。

 下塗りをせずにそのまま中塗り・上塗りの塗料で塗装したとしても、外壁塗材と塗膜が上手くくっつかず、すぐに剥がれてしまうことがほとんどです。

 塗装は乾燥時間を設けながら塗り重ねていくような作業ですが、塗装後の見た目だけを見ても、3回の塗装工程が守られているのかは簡単には判断できません。

 下塗りは、外壁素材と塗膜をくっつける接着剤ような役目がありますので、その下塗り工程を省略すると、中塗りや上塗りもうまくいかなくなるため、手抜き工事には特に注意しなければなりません。

 そして、下塗り後も、各塗装工程の間に必要な乾燥時間をしっかりと設けながら、中塗りと上塗りの2回の塗装工程が行われています。

 中塗りと上塗りの塗装工程では同じ塗料を使って塗り重ねていますが、理由は中塗りの1回の塗装だけでは、表面の凸凹や色ムラが発生しやすいためで、上塗りで美観を整えるような形になっています。

 職人の腕がよかったとしても、メーカーが指定する塗装工程を省くことはできませんので、それぞれの塗料の性質に応じた塗装作業が必要であることを知っている方ほど、中塗りと上塗りの2回の塗装工程を重視しています。

 これまでご説明してきた理由により、外壁塗装工事では、下塗り、中塗り、上塗りの3回の塗装工程を必ず実施しており、場合によっては3回以上の塗装工程になっていることもあります。



下塗り工程


 外壁塗装工事の塗装作業における工程の簡単な流れをみると、下塗り→中塗り→上塗りの3回の工程で進行していきます。

 最初に実施されている下塗り工程は、塗装前の下地処理や下地調整を含む場合もあり、いずれにしても塗装前には外壁の状態をキレイにして、塗料の付着性を高めるような作業が行われています。

 下塗りが丁寧な仕上がりになっていればいるほど、中塗り、上塗り塗料を塗装すると色ムラなくきれいに乗っていきます。

  塗装時に、下地補修を必要としない軽微な細かいクラックが存在するような場合でも、微弾性塗料や弾性塗料を塗ることで微細な傷を埋め、その拡大を予防できることがあります。

 また、外壁の素材やその状態によっても、適切な下塗り材を選んで使う必要があります。

 下塗り材には、シーラー、フィーラー、プライマーの他、さまざまな種類が存在しますが、使い方や使う素材などを間違えないようにしています。

 また、上塗り塗料に対応した下塗り材がセットで指定されていることもありますので、使用する塗料に関してはできる限り相性のよい塗料の組み合わせを総合的に判断して選んでいます。



中塗り工程

 中塗りで使用する塗料は、原則として上塗り塗料と同じものになっています。

 主に上塗り塗料との密着性を高めるために実施されていますので、中塗り工程は絶対に省かないようにしてください。

 下塗り塗料の上に塗布しますので、下塗り塗料の色は消えてしまい、塗り忘れなどがないようになっています。



上塗り工程

 施工ミスではありませんが、中塗りを行い、十分に乾燥させた後には塗料の表面に水分の乾燥の跡ができてしまうことがあります。

 中塗りと上塗りの2工程に分割している理由は、上塗り塗料の塗装工程で、最初の中塗りでできてしまった気泡の跡を埋め、外壁と塗料をしっかりと密着させることができるからです。

 仕上げとなる重要な役割を担う上塗り塗料は、同じ塗料を使用していますが、必ず中塗りと上塗りの2回の工程に分けられています。

 それまでの工程でやるべきことがきちんとできていれば、上塗り工程での塗膜がムラなくきれいに塗ることができるようになっています。

 下塗り後の塗装工程を中塗りと上塗りの2つの工程に分けて、2回塗り重ねることになっていますので、雨や紫外線にも強く耐久性の高い外壁塗装に仕上がっていきます。

 

 

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PROFILE
プロフィール写真
市川 明彦
AKIHIKO ICHIKAWA
塗装技能士・建築士|複数の職場で建築物の塗装・メンテナンスの経験を積み、先代である父の塗装店を2005年に引き継ぐ。塗装技能士・建築士に加えて、雨漏り診断士・戸建住宅劣化診断士・窯業サイディングメンテナンス診断士も保有。 情報を公開し、活動において開かれた姿勢を持つことで、信頼と誠実さを築くという理念を掲げて活動している。
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