ツヤあり塗装とツヤなし塗装で大きな差が出る!塗料の選びのコツ
外壁塗装では、主に色やグレードの違いが、塗料を選ぶ際のポイントとなりますが、色ツヤにまで目を向けてみましょう。塗料のツヤにも注目して塗料選びを行うと、塗装の外観の美しさにも反映されますので、お住まい全体がよりきれいに見えるようになります。
そこで、今回は忘れることのないように「塗料のツヤ」についての知識や選び方のポイントなどについて簡単に解説していきます。
見た目の違いによる塗料のツヤの種類
たいていの塗料にはツヤがありますが、ツヤがある、ツヤがない、などの二者択一として簡単に分類できるものではありません。塗料の種類に加えて、ツヤの有る無しにも微妙な差があることから、ツヤの微妙の差がそれぞれの塗装面を見る人に異なった印象を与えることになります。
塗装面のツヤは、光を反射するとキラキラと光るような見え方をしていて、お住まいの外観をきれいに見せています。
塗料にツヤがない場合(ツヤ消しなど)は、光を反射していない状態です。塗料のツヤの種類は、ツヤ消し、3分ツヤ、5分ツヤ、7分ツヤ、ツヤありという5つの種類に大まかに分類できます。
また、5分ツヤは「半艶」、ツヤ消しは「マット仕上げ」などといった別の表現で呼ばれることがあり、自動車の塗装でも聞いたことがあるかもしれません。
外壁塗装における「ツヤあり」と「ツヤ消し」の違い
まずはツヤのない「ツヤ消し」塗料についてご説明すると、塗膜にツヤがないと光を反射せず、全体として落ち着いた控えめな印象を与えます。そのため、和風建築では、落ち着いた印象を与えられるツヤ消し塗料が好まれており、実際によく選ばれることが多いようです。
ツヤ消し塗料といっても、純粋なツヤ消し塗料ではなく、通常のツヤあり塗料にツヤ消し剤を混ぜているケースも多いので選択時には注意が必要です。こうしたツヤ消し剤を添加したツヤ消し塗料は、純粋なツヤあり塗料よりも耐久性が劣ることがあるからです。
ツヤ消し塗料は、ツヤのある塗料よりも汚れやすく耐久性が少し低いことが多いので、できる限り耐久年数の長いツヤ消し塗料を選ぶようにしましょう。ツヤあり塗料の選択時は、100%ツヤありの塗料を選ぶと、キラキラとした光沢が外壁面を美しく見せ、再塗装によって新築住宅のような外壁に生まれ変わります。
塗装で耐久性や耐候性も向上しますが、ツヤそのものは、3年も経つと次第にその輝きを失っていくため、美しいツヤは永遠に維持できるものではありません。ツヤそのものは意外と早く失われてしまうことを知っておいてください。
外壁材も塗装面も少しずつ経年劣化していきますので、いつも同じ外壁面を見ていると、ツヤがなくなったことに気づかないことがあります。
高級感が出やすいツヤといえば「3分ツヤ」
「3分ツヤ」は、ツヤを出していても弱めに出ているために、光沢感はそれほどありません。その代わりに、塗装面は高級感のあるツヤの仕上がりになっています。
ほどよいツヤを求めるなら無難な選択肢となる「5分ツヤ」
「5分ツヤ」は、「半艶」とも呼ばれています。ツヤありとツヤなしの真ん中のグレードです。光沢は控えめですが、ほどよいツヤ感を求めるなら5分ツヤがいいでしょう。
ツヤありを少し抑えた「7分ツヤ」
ツヤあり塗料(ツヤ100%のこと)のツヤを少し抑えめにしたグレードが「7分ツヤ」の塗料です。
仮にツヤ消し剤を使ってツヤを抑えた塗料であっても、ツヤ消し剤はわずかであるため、耐久性や耐候性が低くなることを防ぎ、ツヤあり塗料とそれほど変わらない耐久年数を維持してくれるでしょう。
ツヤあり塗料やツヤ消し塗料は、施主が求めるツヤの好み、塗膜の汚れにくさ、耐久性などを総合的に比較検討してからじっくりと選ぶといいでしょう。
施主の好みをできる限り反映させることはもちろんですが、数パターンあるツヤの見え方を納得できるまで試した後、全くのツヤ消しにするか、ツヤありでもどの程度のツヤがよいのかを決めるようにしてください。
AKIHIKO ICHIKAWA