








光触媒塗料の意外な欠点に注意?
光触媒塗料は、塗料の技術進歩により誕生した優れた性能を持つ塗料です。耐久性もあって、セルフクリーニング機能を備えていることから汚れにくく、他の塗料よりもメリットが多くなっています。しかし、光触媒塗料にもさまざまなデメリットやあまり知られていない注意点・問題点がありますので解説していきましょう。
光触媒塗料にはセルフクリーニング機能や空気清浄機能がある!
屋根塗装や外壁塗装では、一般的なシリコン塗料がよく使用されていますが、全く新しいアプローチから光触媒効果により、セルフクリーニング機能を備えた塗料が登場しています。
光触媒塗料は、塗料に含まれる酸化チタンが触媒となり、光や水に作用して、酸化反応を起こします。その効果により、汚れやホコリなどの塗膜表面の有機物が酸化し分解されます。汚れは、浮かびあがりますので、雨の勢いにより洗い流されていきます。
また、光が当たると親水性の高い塗膜ができます。水になじみやすく薄い水の膜ができることで静電気の発生を防ぎ、汚れや小さなチリ・ホコリなどが付着しにくくなります。
さらに見逃せないのが、光触媒塗料の空気清浄機能です。紫外線が塗膜に当たると活性酸素が発生します。そして、大気汚染の元になる窒素化合物を酸化させ、空気中から取り除く働きがあります。車が多く、排気ガスの発生の多い地域なら、周囲の空気をきれいにする「空気清浄機能」は、汚れにくい機能に加えて、自然や環境を意識しているなら必ず気になる塗料でしょう。
光触媒塗料の施工費用は高額
光触媒施工は、費用が高額です。その理由は、通常塗装の後に光触媒塗料による塗装を行うため、材料費や人件費などが余分にかかるからです。新しい塗料であることから、施工実績の豊富な塗装業者に作業を依頼すべきでしょう。
光触媒塗装の塗り替えには要注意
最初から光触媒塗装が施されているサイディングボードの場合の塗り替え工事は、特に注意を払う必要があります。光触媒であるかどうかわからない状態で、光触媒塗料で塗装すると、塗料の密着度が悪くなってしまう恐れがありますので、どんな塗料で塗装していたのかをはっきりさせるようにしましょう。光触媒塗装の経験のある塗装業者でないと、塗装面の状態を見極めることは難しいでしょう。
雨や光が当たりにくいと十分な効果が出ない
光触媒塗料は、光や雨の力を借りて、セルフクリーニング機能や空気清浄機能が発揮されます。太陽光が当たりにくい場所や雨の当たらない場所になると、十分な効果が発揮されない場合があります。
塗膜のひび割れが多い
光触媒塗料は、乾燥して硬化した後の塗膜が硬めです。そのためひび割れが発生しやすいと考えておいてください。
濃い色を選ぶ場合は他の塗料がいい
光触媒塗料に含まれる酸化チタンは、白みが強いので、原色や鮮やかな色、濃い色を選びたい場合は、別の塗料を選ぶか、光触媒コーティングを施すようにしましょう。
光触媒でも対応できない汚れがある
光触媒塗料は、どんな汚れでも洗い落とせるわけではありません。無機質系の汚れは、酸化チタンで分解できません。無機質系の汚れとは、錆び、砂、エフロレッセンス(白華現象)などの汚れです。また、鳥の糞、木の葉、樹液などの汚れも分解することができませんので、こうした見つけたらご自身で汚れを除去し、洗浄するようにしましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA