メリット・デメリットで比較するサイディングと塗り壁の選び方
外壁の雰囲気やデザイン、素材が、お住まい全体の印象を決めてしまうこともあり、屋根材と同様に外壁材選びは重要です。サイディングや塗り壁はどちらも人気の外壁材です。ここでは、代表的な外壁材のサイディングと塗り壁のメリットとデメリットをよく比較し、どんなときにどう選べばいいかなどについて解説します。
サイディングのメリット・デメリット
サイディングは、セメントを焼き固めた窯業系サイディングが主流で、デザインの種類や色も豊富に取り揃えており、同じような外壁サイディングはあまり見かけなくなってきています。
サイディングは、工場で大量に生産されており、初期費用が安いことが大きなメリットです。外側から貼り付ける工法は、経験の少ない職人でも容易に施工できます。今では、金属製や樹脂製のサイディングも増え、多くの新築住宅で採用されるようになっています。
サイディングのデメリットは、そのメンテナンスコストです。外壁材も時間とともに経年劣化しますが、特に切断面やつなぎ目の目地コーキング材が劣化しやすい箇所です。端の方から反りや凹みが発生し、色あせが見られるようになったら、塗装メンテナンス以外にも外壁の交換工事が必要となります。
また、塗り壁の質感と比べると、サイディングの場合は、少し見劣りします。経年劣化と共にその差が広がっていきますので、本物を求めるなら、塗り壁のほうがおすすめです。
塗り壁のメリット・デメリット
塗り壁は、左官職人が手仕事で行う日本古来からある伝統的な工法で作られた壁のことです。土などの素材を下地にして塗り込んでいきます。漆喰や土などが主な材料となります。
仕上り具合は、職人の腕に大きく左右され、施工職人の個性が大きく反映されます。オーダーメイドの外壁ですので、職人ごとにデザインの違いが生まれます。塗り壁は、個性やオリジナリティを求める方に、大変好まれている外壁材です。素材にも環境に優しい土や漆喰などの自然素材を使っていますので、体に悪い影響を与えることはありません。
デメリットは、塗り壁の仕上り具合が、職人が使う工法や腕により大きく左右されることです。耐久性も職人の腕により差が生じます。塗り壁が仕上がった後の出来や好みは、住む人の感性と同じでなければなりません。
また、経験豊富な職人が減ってきており、よい塗り壁職人を探すのはとても難しくなってきています。耐久性にもバラつきがあり、経年劣化により、ひび割れや色あせ、汚れの発生は避けられないでしょう。その都度メンテナンスや補修を行う必要があり、サイディングよりもメンテナンスコストがかかります。
サイディングと塗り壁の選び方の基準とは?
初期費用を安く、メンテナンスにもそれほど手間をかけたくない場合は、サイディングが外壁としておすすめです。それでも、デザインや色のバリエーションが豊富ですので、10~15年後の塗装や交換時まで低コストできれいな外壁が楽しめます。
予算に余裕があって、意匠性の高い外壁をお求めの場合は、塗り壁がおすすめです。職人の個性が出ますし、好みが合えば満足度も高くなります。他に一つとしてない外壁材なら塗り壁がおすすめです。
AKIHIKO ICHIKAWA