屋根塗装や外壁塗装は、塗料を塗るだけの単純作業ではありません。正しい塗装工程・塗装作業の流れがあり、優良業者ほど丁寧に作業を行い、手抜きすることはありません。塗装工事が適切に行われているのかどうかは、見積り時や塗装工程の説明などでわかることがあります。ここでは、塗装工程に関する正しい知識を覚えてください。
重要な塗装前の準備作業
・足場の設置
塗装作業の効率化や安全を確保するために足場を設置し、塗料が飛び散らないように、飛散防止ネットを取り付けます。
・高圧洗浄
高圧洗浄機で屋根や外壁表面の汚れを洗い落とします。
・塗装前の養生
塗装の境界線をきれいにするには、養生も重要です。養生は塗装の必要がない箇所をビニールで保護する作業です。
・下地処理
外壁なら、ひび割れ、剥がれ、膨らみなどの塗膜の劣化症状が出た箇所を補修する工程です。剥がれた塗料を除去し、錆び止めの塗布、シーリング処理が行われます。鉄部は、錆びが発生していますので、錆びや剥がれの箇所を処理し、錆び止めを塗布します。
塗装は3回塗りが基本
メインとなる塗装工程は、3回塗りが基本です。3回塗りとは、下塗り、中塗り、上塗りの3回の工程のことです。今回は外壁塗装の場合について解説していきます。
・下塗り(外壁)
下塗り工程は、塗装色よりも、上塗り塗料を外壁にしっかりと定着・密着させるために行う塗装工程です。丁寧に塗装作業を行います。
・中塗り(外壁)
中塗りと上塗りでは、同じ塗料を使用します。中塗り塗料は、下塗り材をコーティングし、上塗り塗料の下地にもなります。
中塗りと上塗りが主な外壁色となります。
・上塗り(外壁)
中塗りと上塗りを合わせて、上塗り2回と呼ばれることがあります。基本的には同じ塗装作業を行いますが、中塗りと上塗りの間は、乾燥時間を十分に取る必要があります。
付帯部の塗装や錆び止め、足場撤去など
鉄部や木部などの付帯部分の塗装も行います。鉄部は、ケレンや錆び止めが必要です。付帯部は、面積も狭く、細かい箇所になりますが、下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りの工程は必ず守って丁寧に塗り分けていきます。破風板、軒天、笠木、雨樋、雨戸、戸袋、水切りなどが代表的な付帯部です。
塗装作業終了後は、養生を片付け、施主と共に最終確認を行います。塗装作業の最終確認が済んだら、足場を解体して撤去し、工事を完了させます。
保証期間と保証内容をしっかりと確認し、後で不具合が見つかったら、すぐに対処してもらいましょう。外壁塗装の塗装期間は、10~14日程度です。
AKIHIKO ICHIKAWA