外壁の劣化症状を見極めて適切な対処を行うことは、プロの外壁修理業者でも難しいことです。しかし、ご自身が住むお住まいも経年劣化し、古くなるとあちこちに不具合箇所が発生するようになります。
おかしな劣化症状や雨漏りの原因となっている劣化症状は、素人でもすぐにわかることがあります。ここでは、専門知識が不要で、簡単に劣化症状がわかる外壁診断方法について解説していきます。何かおかしいな、と思ったら、すぐに外壁修理の専門家に相談するようにしましょう。まずは、最初におかしなサインに気づくことが重要です。
見た目ですぐにわかる劣化のサイン
外壁や塗装に関して詳しくない方でも少しの知識と観察力を使って、外壁塗装の劣化症状や不具合箇所を発見できます。
・塗装の剥がれや剥離
外壁塗装の塗膜を見ると表面が剥離している場合は、部分補修を行ってから再塗装します。複数箇所の剥がれが散見されたときは、全面的な外壁の再塗装を実施したほうがいいでしょう。
・色ムラの発生
経年劣化ではなく、塗装の不具合や作業の手抜きなどによっても色ムラは発生します。
・ひび割れ(クラック)の発生
外壁のひび割れは、大小さまざまな形で発生し、すぐに発見できます。また、窓枠やサッシ、玄関周りなどの外壁とのつなぎ目部分をよく見ると、隙間が開いていることがあります。こうした隙間ができていると、雨水が浸入しやすくなります。雨漏りやカビの発生原因となってしまうでしょう。
・サイディングボードの反り
窯業系サイディングボードを使用している場合は、素材が水分を吸収し、何度も蒸発を繰り返しますので、反りや膨らみの現象となってしまいます。外壁材と建物との間にも隙間が生じています。
・シーリング材・コーキング材のひび割れ
外壁や塗装よりも脆いのが、シーリング材やコーキング材です。サイディングボードの隙間を埋めるゴム状の建材です。シーリング材は、気密性や防水性を維持する重要な役割があります。
古くなると、ボロボロになり、隙間が開いてしまいます。外壁材や塗膜よりも経年劣化が早いので数年で再度シーリング材・コーキング材の打ち替えを行う必要があります。
・金属系外壁材の錆び
金属製の外壁材は、ガルバリウム鋼板などの耐久性を高めた素材であっても、各種錆びの発生は避けられません。付帯部の鉄部の錆びなども見逃さないようにしましょう。錆びは、金属系の建材に共通する経年劣化症状です。
触って確かめる屋根診断法
外観では何も発見できない場合でも、素材や各種建材を触ってみると経年劣化や不具合箇所を見つけられる可能性があります。
・凹みや歪み
外壁材を直接触ってみると、凹みや穴開きなどが発見できる場合があります。見えにくい箇所の錆びの広がりなども手で触ってしっかりと確認してみましょう。
・触ると手に何かつく
汚れがつくことがありますが、塗装の保護性能が高いと、汚れもそれほどつきません。しかし、白やグレーの粉が手につく場合は、塗膜が劣化し、チョーキング現象を起こしているかもしれません。外壁材がボロボロになっているようなら、再塗装や外壁の張り替え工事が行われます。
・外壁材のガタツキ
外壁材を触ったり、押したりするとガタつく場合があります。何か問題がないか専門家にも確認してもらうようにしましょう。埃がつく程度なら、メンテナンスの機会に水洗いや清掃作業を実施してください。
AKIHIKO ICHIKAWA