外壁工事は、塗装が有名ですが、経年劣化が進むと、塗装では対処できないほどボロボロになっていきます。また、サイディングのデザインを一新したいときには、塗装よりも張り替え工事のほうが、お好みに近い外壁サイディングを選びやすくなります。ここでは、外壁サイディングの張り替え工事の注意点や費用について解説します。
外壁サイディング選びと寿命
外壁塗装は、外壁の種類に応じて適切な塗料を使って定期的に行います。しかし、外壁そのものにも寿命があり、経年劣化によりサイディングが古くなると塗装や補修のメンテナンスでは対応できなくなり、交換時期を迎えます。
サイディングには、窯業系、モルタル、金属系の3つのタイプがよく採用されています。窯業系は、デザイン性が高く、タイルやレンガなどのたくさんの複雑な柄の中から選択できます。窯業系サイディングは、セメントが主な原料ですが、繊維質の原料を加えて製造された外壁のことです。
金属系のサイディングは、耐久性の高いガルバリウム鋼板を使用した鉄板が主流となっています。
他には、砂とセメントに水を加えて混ぜたモルタル外壁があります。モルタル外壁は、サイディングとは異なり、コテを使って塗りつけて外壁を作っていきます。こまめにクラック補修や外壁塗装を行う必要があります。
外壁サイディングの耐用年数、寿命は、だいたい30年です。塗装メンテナンスは10年ごと、3回目の塗装のタイミングで張り替え工事が必要です。
外壁サイディングの張り替え工事の種類
外壁サイディングの張り替え工事とは、古い外壁を解体・撤去して、新しい外壁に張り替える工事のことです。サイディングは新品になります。
また、今の外壁はそのまま残して、その上に新しい外壁を重ね張りするカバー工法も選ぶことができます。カバー工法は、廃材が出ず、コストも安く、たいていの外壁に施工できるというメリットがありますが、重量が増し、新しく張り替える外壁材に制限が出てしまうことがデメリットです。
気になるサイディングの張り替え費用はどのくらい?
窯業系、金属系は、1平米あたりの単価が3000~5000円程度です。木製サイディングは同様に6000円、樹脂サイディングは同様に8000~1万円です。外壁サイディングの張り替え費用は、一般的な30坪のお住まいでみると、150~250万円近くかかることがあります。
屋根の葺き替え工事と同じような価格帯ですが、全ての外壁を取り替える必要があり、大掛かりな工事です。外壁を全部取り払った後に、建物の内部の躯体や下地材の腐食・傷みがひどい場合は、補修工事や交換工事が行われますので、さらに費用が高額になることがあります。
このように、外壁サイディングの張り替え工事は、見積り段階でできる限り工事費用を抑える努力が必要です。
AKIHIKO ICHIKAWA