セラミック塗装を正しく学んで失敗を防ぐ!
塗料や塗装の世界が日々進歩しているのも不思議ではありません。
海外から輸入される新しい塗料もたくさんありますが、いつの間にか聞いたことのない塗料が登場し、広告で見かけたり、おすすめされたりすることがあります。
そのような塗料のうち「セラミック塗料」と呼ばれる特殊な塗料による塗装も注目されています。
しかし、実際に塗装する事例はそれほど多くなく、トラブルも多いことから、その性能や特徴を正しく理解している人は少ないようです。
ここでは、セラミック塗料やセラミック塗装について、疑問に思うようなことを中心にわかりやすくご紹介していきます。
セラミック塗料の主な特徴について
「セラミック」と聞いただけで、高級塗料や長寿命で優れた塗料だと勘違いしてしまう人も多いようです。
新しい塗料やまだ普及していない塗料の場合は特に注意が必要で、セラミックや塗料の性質をよく理解しないまま、塗装業者がおすすめするままに塗装工事の契約を結んでしまって後で後悔することもあります。
よくわからない塗料や新しい塗料は、トラブルも多く、思い違いや無駄なやり直しを防ぐためにもしっかりと打ち合わせを行い、疑問点を解消したうえで塗装契約を結びましょう。
セラミック塗料といえば、外壁用塗料でいえばセラミックを配合した塗料のことになります。
セラミックは、陶磁器のことです。また、アカデミックな言い方にすれば、高温の熱で焼結した無機質の個体のことです。
例えば、石や砂、セラミックビーズといったものとなり、天然自然に存在するような物質であってもセラミックと呼ぶことができるでしょう。
瓦なども陶磁器と同じような性質を持っていますし、セラミックも当然ながら紫外線や熱に強いという特徴があり、屋外の屋根や外壁用の塗料して使うと効果的です。
さらに、遮熱性や断熱性の高さなども、セラミック塗料の特徴として知られています。
また、セラミックを配合した塗膜の親水性の高さから、雨で汚れを洗い落とすことができ、汚れが付きにくい低汚染塗装にすることができます。
セラミックを塗料に混ぜると、意匠性の高い塗装も可能になるため、外壁塗装では、例えば、石材調の塗装を行う際にセラミック塗料が使われることがあります。
セラミックを配合した塗料として見ること
セラミック塗料とは、「セラミックを配合した塗料」のことです。「セラミック塗装」なら「セラミックを配合した塗料での塗装」ということになるでしょう。
今のところ100パーセントセラミックでできた塗料というものはなく、石や砂、セラミックビーズなどが全体の数十パーセント程度が塗料に配合されて作られています。
セラミック塗料は、ベース塗料に陶磁器を細かく砕いたようなセラミックの細かい粒が配合されているものと考えてください。
セラミック塗料というグレードは設定されていませんし、あまり関係ありません。あえていえば、無機塗料に分類できるでしょう。
アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などにもセラミックが含まれていることがあるからです。
セラミック塗料を選ぶ際の注意点としては、何の合成樹脂がベースになっているのかをよく確認する点です。
セラミック塗料のセラミックはベースとなるグレードの塗料に配合されている成分である、と考えてください。
最も高い塗料のグレードに無機塗料がありますが、セラミックと無機は同じような意味で使われています。セラミックという言葉を使うと、異なる塗料のように思われてしまいますので間違えないようにしてください。
無機塗料の場合でも、各塗料によって成分・性能・効果などがメーカーや塗料の種類ごとに異なるので選択の際には注意が必要です。
代表的なセラミック塗料
セラミックを配合した有名なセラミック塗料といえば、日進産業の遮熱断熱塗料「ガイナ(GAINA)」です。
ガイナは、宇宙開発で培った最先端技術を取り入れ、遮熱性と断熱性機能を持たせた塗料です。
ガイナは、高い遮熱・断熱、防音性能の他、各種外壁にとって多くの有効な特殊な機能を持ち合わせた優れたセラミック配合塗料です。
耐用年数は15~20年と長めで、一度塗装すると長期間効果を発揮し、塗り替えメンテナンスが少なくて済みます。
ガイナを使う際の注意点としては、下塗り塗料選びを間違うと、ガイナでも外壁の保護効果が発揮できない場合があることです。
また、塗料の性能は、建物の断熱・遮熱性能にも左右されますので、必ずしも期待した効果が得られるわけではありません。
また、通常の塗料よりもざらざらした表面の仕上がりのため、汚れが付着しやすくその汚れが目立つ点がデメリットです。
ガイナと同じような性質を持つセラミック配合塗料は、大手メーカーでは、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研などでも販売されていますが、各社特徴が異なります。
悪徳業者が多いので注意!
悪徳業者が、セラミック塗料や性能の高さ、高級感などを売りにして、訪問営業を行うケースが増えています。
訪問営業が来ても、その場で決めることのないようにし、屋根や外壁の塗装の予定がなければ、お断りするようにしましょう。
セラミックは、ベースとなる塗料に配合されており、全てのセラミック塗料の耐久性が高いわけではないことに注意してください。
セラミック塗料の何がいいのかを担当者にしっかりと確認し、ご自身が求めるものと同じで納得した場合にのみセラミック塗料を選ぶようにしてください。
セラミック塗料は、高級で高機能を持ち、価格が高い塗料ですが、そこまでの性能を求めていない場合は、汎用塗料を使っても問題ないでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA