【鉄部塗装の注意点】錆びの発生原因を知ろう
鉄部の錆びは、どんなに丁寧な防錆処理を施していたとしても、経年劣化により必ず発生するものです。しかし、塗装時に適切な下地処理や防錆処理が施されていないと、湿気の多い地域ならいつの間にか錆びが発生し、広がっていきます。
錆びの発生により、鉄部が腐食し、強度が落ちていき、最後には穴が開いたり、崩れ落ちたりします。そのようなことがないように錆びの性質についてよく知り、正しい対処法により錆びを抑えるようにしましょう。
錆びは悪者です!
木造住宅にも金属はよく使用されています。コストの安い鉄を使うことは一般的です。鉄を主材としたガルバリウム鋼板でも経年劣化による錆びの発生は避けられません。雨戸にも金属が使われており、鉄部の建材にも定期的な錆び取りや防錆処理、塗装が必要となります。
金属製の手すりやドアなどが錆びると、大きな音が鳴ったり、スムーズに動かなくなったりします。また、錆びは、他の鉄部にも伝染していきます。「もらい錆び」と呼ばれる現象です。錆びが雨水で流されるような状態が続くと、他の鉄部にも錆びが移り、広範囲に錆びが広がっていきます。
錆びた箇所は、赤茶色になってしまい、それが雨水により流されると、まるで汁が垂れたような模様ができてしまいます。錆びの汚れは、落としにくく、鉄部以外のサイディングや雨樋などにも汚れをつけてしまいます。確実に外観が汚くなりますので、少しの錆びの発生でもすぐに対処したほうがいいでしょう。
錆びが発生しやすい箇所
建物に使われている金属は多く、鉄部や塗装された鉄の部分には、至るところに鉄が使われています。金属製の屋根では、錆びに強い素材も登場していますが、瓦棒葺き、立平葺き、折半屋根などは、直接表面に塗装されているだけですので、傷が入っただけでも錆びやすくなっています。
長寿命で錆びに強い金属製のサイディングもありますが、白錆の発生は避けられません。金属製の雨戸と戸袋は、白錆が出やすく、ガルバリウム鋼板製なら耐久年数は20年程度でしょう。
門扉や柵・フェンスでは鉄が使われていると錆びやすくなっています。しかし、アルミやステンレスを使っている場合は、ほぼ錆びず、メンテナンスフリーです。鉄製で錆びが多く、塗装が面倒なら、アルミやステンレス素材のエクステリアに変更したほうがいいでしょう。
錆びの発生原因いろいろ
鉄部に塗装していた場合、塗膜に覆われている状態なら錆びの発生は抑えられています。経年劣化や地震などで塗膜にひび割れが生じると、内部の鉄部が外に露出し、錆びが発生します。錆びは、雨や湿気に含まれる水分や塩分が酸素と共に鉄に触れ、酸化鉄になった状態です。
鉄が錆びると、錆びが広がっていき、全体的に腐食が進んでいきます。鉄が錆びると、塗料が剥がれ落ちたり、躯体部分の強度が落ち、曲がってしまったりします。
鉄部塗装で錆びを抑える方法
鉄部塗装では、脱錆び剤の酸を使った洗浄を徹底し、錆び止め用の塗料を使用します。錆びがひどい場合は、ケレン作業を行います。ケレンとは、サンドペーパーやサンダーなどを使って、錆びを研磨して除去する下地処理のことです。
ケレン作業は、塗装前に行われます。錆びの症状の程度に応じて4種類に分類されているケレン作業は、主に2~4類型のケレン作業が行われています。
AKIHIKO ICHIKAWA