屋根や外壁塗装の手抜き工事は、施主の知らない間に行われていることが多く、契約前だけではなく、塗装工事作業中や各工程ごとにマメにチェックし、手抜き工事を防ぐしか有効な方法はないでしょう。今回は、外壁塗装工事でよく行われる手抜き工事対策についてご紹介していきます。
三度塗りが行われていない
屋根でも外壁でも、塗装をする場合は、三度塗りが原則となっています。三度塗りとは、下塗り、中塗り、上塗りの3つの作業工程を飛ばすことなく実施することです。塗装に一日、乾燥に一日と合計6日以上を塗装作業にかけることもあり、一日で塗装作業が終わることはありません。
雨の日は塗装作業は中断しますので、工事日程は余裕をもって設定することが重要です。下塗りは、塗膜の密着度や品質に直接影響しますので、上塗りなどの仕上げ塗装をしないで作業を終了させる場合があります。
こうした手抜き工事を防ぐために、中塗りと上塗りに使用する塗料の色を変えてもらう方法があります。また、各工程が終わった段階で施主もチェックすべきでしょう。
足場を設置しないケース
外壁塗装工事では、足場を設置し、養生をしっかりと行ったうえで下地処理や塗装作業を行います。足場にも養生が必要ですし、窓枠やフードなどの塗装しない箇所に関しても、マスカーなどを使った細かな養生作業を行います。塗膜の厚みは一定でなければなりません。安定した足場を使って、じっくりと塗装作業を行う必要があるでしょう。
安物の塗料を使う
見積書や仕様書で記載していた塗料を使用せずに、値段の安い塗料を使用して、塗料の費用を下げて塗装を行う場合があります。塗装作業の現場では、使用している塗料に間違いがないかどうかをよく確認する必要があるでしょう。
下地処理の補修が適当
下地処理を疎かにすると、塗膜面がきれいになっていないので、塗料の密着度が低くなり、塗装の塗膜が剥がれやすくなってしまいます。凸凹した塗装面になってしまうこともあります。塗装直後はわかりませんが、下地処理の補修が適当なら、数か月で塗膜が剥がれ、クレームになってしまうことがあります。
適切なクラック補修なども行われますので、必ず下地処理を重視する塗装業者に塗装工事を依頼してください。
塗料の塗布量
塗料を使用するときには、正確な計量により塗料を配合しなければならず、均一な塗膜であればあるほど、質の高い仕事をしていることになります。適切な量を使用していない薄い塗料は、塗膜の正常な機能が発揮できないでしょう。
降雨時の施工や乾燥時間
三度塗りの場合、下塗り、中塗り、上塗りの間の乾燥時間は、塗料メーカーが指定する乾燥時間を守ってください。乾燥していないまま次の塗装工程に進むと、塗膜が膨れたり、剥がれたりしやすくなります。
雨の日は塗装作業が中止されます。湿度が85%以上の状態では、塗膜の付着力が弱まり、塗装してもなかなか乾燥しません。天気予報でも雨が続いたり、台風などが通過することがわかっている場合は、塗装作業を延期したほうがいいでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA