間違いやすい「断熱塗料」と「遮熱塗料」の違いを詳しく解説
断熱塗料と遮熱塗料はどちらも熱を防いで温度を下げる効果がある同じような塗料だと思っていませんか?
それぞれの塗料の特長や性質をよく知ると、異なった仕組みによって、熱を抑え、熱をコントロールする効果があることがわかっていきます。
今回は、初めてであまりよくわかっていない人向けに、断熱塗料と遮熱塗料の違いについて少し詳しくご説明していきたいと思います。
断熱塗料の効果と耐用年数
断熱塗料の主な効果とは?
断熱塗料の主な効果としては、熱を「遮断」することが挙げられます。
例えば、夏の暑い時期なら、太陽光の強い熱を家の室内まで届かないように抑え、なおかつ冷房の冷たい空気を外に漏らさないようにするなど、これら2つの効果によって、室内を快適な温度に保つことができます。
さらに、断熱効果の場合は、寒い冬の時期にもその効果が発揮され、室内の熱を外に逃がさないようになっています。
このような多くの効果を持つため、断熱塗料は夏場だけでなく冬場も断熱効果を発揮する優れた機能性の高い塗料だということがわかります。
断熱塗料の耐用年数の長さにも注目
断熱塗料の耐用年数は、15年から20年もあると言われています。
遮熱塗料よりも耐用年数が少し長いため、断熱塗料は遮熱塗料よりもグレードの高い塗料として設定されており、施工単価にも反映されています。
断熱塗料は、高性能な塗料として十分に認めることができますが、初期導入のコストの高さがデメリットの一つとして考えられるでしょう。
それでも、初期費用が通常よりも高くなったとしても、高い断熱効果により一年中快適に過ごせますし、一年中節電効果を生み出すなら、断熱塗料を積極的におすすめする塗装業者が多いのも当然なのかもしれません。
遮熱塗料の効果と耐用年数
遮熱塗料の主な効果の確認
断熱塗料に対して、遮熱塗料もありますので、塗料選びに際しては検討する必要のある事柄となります。
断熱塗料が熱を遮断する効果を持つのに対し、遮熱塗料の効果は、熱を「反射」する効果を持つ点が大きな違いです。
太陽の熱を塗料の遮熱効果によって反射させれば、室内に熱が届かないようになるので、室温の上昇を抑えることができます。
住居の構造や日当たり具合によっては太陽の熱を反射すると、夏の最も暑い時期では室温がマイナス2度下がるという事例もあり、塗装するだけで遮熱効果が得られるコスパに優れた塗料として紹介されています。
もちろん、室温が下がると、冷房の設定温度を下げることができ、扇風機だけでも快適に過ごせます。
遮熱塗料も断熱塗料と同様に、長期間にわたって大きな節電効果が得られる点に人気や注目が集まっています。
遮熱塗料の耐用年数は少し短い
遮熱塗料の耐用年数は、10年から15年と断熱塗料より少し短い設定になっています。
塗料のグレードは耐久性によって決まっていることから、耐用年数が短いと施工単価も安くなるため、断熱塗料よりも低価格で施工できる遮熱塗料なら検討する方も増えます。
塗装された外壁は、必ず塗り替えが必要となりますが、耐用年数を目安に塗り替えのタイミングを考える方が多いので、次の塗装メンテナンス時期を決定する目安になるでしょう。
あくまでも目安なので、お住まいの環境やその他の部位の経年劣化具合などによっても、塗り替え時期は大きく異なります。
断熱塗料と単純に比較した場合は、耐用年数が短い遮熱塗料のほうが、塗り替え工事のタイミングが早くなるのは当然でしょう。
しかし、一般的なシリコン系塗料でも、低価格の種類なら10年未満で塗装の効果が終わるものもありますので、遮熱塗料の耐用年数は比較的長い部類に入ると考えられます。
断熱塗料と遮熱塗料の決定的な違いとは?
断熱塗料の場合は、外からの熱を遮断する効果と室内の気温を一定に保つ効果の2つの効果がある点です。
遮熱塗料は、夏場の強い太陽光を反射し気温を低下させますが、冬場ではその効果が気温低下をもたらし逆効果になってしまう場合もあります。
夏場の太陽の熱を遮るだけではなく、冬場の暖房の温度なども逃さないという断熱塗料は、一年中室内の快適さをキープできる点が優れています。
遮熱塗料は、断熱塗料に比べて室内の温度を保つ効果が薄く、夏場の外からの熱は反射し防げますが、室内の温度を保つ効果に関しては断熱塗料の方が高いと言えます。
また、耐用年数にも差があります。
塗り替えのタイミングなども考慮し、長期的な視野からすれば、断熱塗料の方が総費用を抑えられるケースが多くなります。
初期費用は、断熱塗料よりも遮熱塗料の方が低く抑えられるようになっています。
AKIHIKO ICHIKAWA