光触媒塗料は、次世代塗料としても注目されている最新の塗料です。光触媒のその名のとおり、光が当たると表面の汚れが分解され、雨でその汚れを洗い流すことができます。環境にも優しく、耐久性も高い光触媒塗料ですが、使用時にはいくつかの注意点があります。光触媒塗料のメリットを再整理し、使用時の注意点をまとめました。
光触媒塗料を使うといいことばかり?
光触媒塗料は、特殊な塗料ではありますが、その機能性の高さを理解し、値段が高くても塗り替えを行う人も増えており、少しずつ普及しています。光触媒塗料の大きな特徴は、セルフクリーニング機能です。日光と雨の力により塗料が汚れを落としてくれます。
耐久性も20年以上あると言われており、塗り替え回数も大幅に削減することができます。塗装に関するコストは他の塗料よりも高めですが、汚れにも強く、塗料の中でも最も高いと言われる耐久性能を考えれば、価格相応の機能を持ち併せていると考えられます。
デメリットもある光触媒塗料
価格が高いというデメリットもありますが、その高い機能性を考えると妥当な価格です。他に考えられる光触媒塗料のデメリットは、屋根用の光触媒塗料がないことです。
光触媒塗料は、光や雨水がない場所ではその機能が発揮できません。例えば、日当たりの悪い場所、雨の当たらない場所に光触媒塗料を塗っても、カビや藻が発生したり、逆に汚れが目立つという結果になってしまいます。
また、濃い色がなく色が限定されています。塗り忘れ箇所は汚れが目立ち、塗り過ぎた箇所は逆に黄色が目立つようになります。色ムラが出やすい塗料ですので、下地の状態には注意する必要があります。
そのため、光触媒塗料は、認定店や加盟店でないと扱えないようになっており、知識のない職人が塗ると失敗しやすいので、必ず経験豊富な職人に塗装を依頼してください。
特に下塗り、中塗り、上塗りの通常の塗り工程に加えて、光触媒コーティングの工程が加わりますので一般的には光触媒塗料に塗装のほうが工期が長くなります。
条件がそろわないと最大の効果が発揮されないこともあります
光触媒塗料は、耐用年数が20年ですので、コストパフォーマンスからみると妥当な価格であると考えられます。
それよりも、日当たりの悪い場所、雨が当たらない場所に光触媒塗料を塗らないようにしてください。 よくある例が、隣家との間隔が1メートルもない場所です。こうした外壁面に光触媒塗料を塗る意味はありません。また、土や砂、泥やサビを落とすことはできないので、全ての汚れを落とすわけではないことも知っておきましょう。
光触媒塗料では、TOTOのハイドロテクトコートが有名ですが、関西ペイント、日本ペイント、SK化研などの大手メーカーからは、発売されていません。TOTO以外では、アイカのジョリパットクリーンマジック、K2コートが有名ですが、大手メーカーの光触媒塗料が選べないというデメリットもあります。
AKIHIKO ICHIKAWA