お住まいの屋根は、紫外線、雨、雪、風といった自然災害から建物を守る重要な役割を持っています。さまざまな形状の屋根がありますが、日本家屋で代表する形状は切妻屋根で、屋根頂上部分から下方向に2面、野地板が伸びた屋根です。格式の高い建物にもよく使われています。
他にも、屋根の頂上から4方向に屋根面が分かれている寄棟屋根や、田舎でよく見かける入母屋、最近の住宅で人気があるため設計士が好んでデザインする片流れ屋根、屋上が水平で歩行ができる陸屋根などがあります。
それらの屋根に使われる屋根材は、主に瓦、スレート系、金属系、セメント系の4種類に分類されます。気になる屋根のメンテナンスの時期ですが、一般的に日本瓦などの粘土瓦以外は、10年に一度塗り直しを行い、30年に一度葺き替えするのが基本です。
劣化の初期症状としては。色あせやコケやもの付着、スレート系であれば割れ、セメント系であればズレ、金属系は発錆などの症状が発生します。このような状態になったらメンテナンスの時期かもしれません。放置すると雨漏りする可能性が高くなりますので、早めに業者に診断してもらいましょう。
屋根工事は、塗り直しや別の屋根材を上からかぶせるカバー工法であれば、1週間から10日程度で作業は終了します。しかし、天候に左右される作業のため、悪天候が続くと工期が延びてしまうかもしれません。
気になる工事費用ですが、使用する屋根材や下地の状況によって変わりますが、塗り替えのメンテナンスであれば、20万から30万円が目安となり、足場が必要な場合は、プラス15万円程度かかります。
現状の屋根の上に、金属屋根をかぶせるカバー工法であれば、100万円から150万円が相場です。現状の屋根を撤去して、新しい屋根材に葺き替える工事の場合は、撤去の手間や処分費用もかかるため、150万円から200万円と高額になります。
それぞれの工事の期待耐用年数ですが、塗り直しなら10年程度、カバー工法や葺き替えの場合は30年と考えていいと思います。屋根工事は外壁塗装などの工事よりも、雨漏り対策を含めた下地処理が重要になります。
信頼できる業者に診断してもらい、お住まいに合った屋根材や工法を選択しましょう。屋根工事は失敗できませんので業者選びは慎重に行いましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA