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- シーリングとコーキングの違い
外壁塗装を検討しています。業者から見積書の提示がありましたが、シーリングと記載されている業者コーキングと記載している業者がいます。シーリングとコーキングは何が違うのでしょうか?シーリングとコーキングは一緒?
結論から先に述べますと、シーリングとコーキングは一緒です。
厳密に言えば内容は違いますが、外壁塗装工事においては、同じものとお考えいただいても間違いではありません。厳密には、下記のように微妙な違いがります。
ウィキペディアからの抜粋です。
シーリング(sealing)
封印すること。気密、水密状態を得る目的や、防音、断熱のため充填材などで塞ぐこと。
コーキング(caulking)
気密性や防水性のために施工される隙間を目地材などで充填すること。また、その材料であるパテなどをコーキングと呼ぶ。
なぜ、業者によって呼び方が違うのか?
シーリングやコーキングの歴史を振り返るとわかりやすいので解説していきます。
はじめて日本に現れるのは、終戦間もない1950年代。油性コーキング材が海外から輸入されていました。油性コーキング材は、天然樹脂、合成樹脂、アルキド樹脂、炭酸カルシウムなどを混合して製造したペースト状の充填材です。用途は、住居や木船などの隙間を塞ぎ気密性、水密性を得ることでした。これらの作業をする人たちのことを「コーキング屋さん」と呼んでいました。
1960年代に入ると、高度経済成長を迎え、超高層ビルや、大規模建造物の工事が爆発的に増え、様々な環境に耐えられる国産のシーリング材が生産されるようになりました。用途が限定的なコーキングから幅広い用途を一つにまとめてシーリングへと名称が変わっていきました。
このことから、「シーリング材には、油性コーキングという種類がある」というのが正しい使い方です。近年では、油性コーキングはほとんど使われなくなり、シリコーン系や変性シリコーン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系など数多くのシーリング材が様々な用途に使用されています。
コーキングという言葉は、「コーキング屋さん」「油性コーキング」の名ごりから来ています。コーキングは、日本ではじめて使用されていた元祖シーリング材です。現在では、「シーリング」「シール屋さん」と呼ぶことが一般的になりつつあります。また、日本シーリング材工業会はありますが、日本コーキング工業会などは存在しません。
歴史から考えると、「シーリング」を使うほうが正解な気がします。私もコーキングは使用しませんが、一定の割合でコーキングと呼んでいる方もいますので記事を書くときは、シーリング(コーキング)など2つ書くようにしています。
AKIHIKO ICHIKAWA