塗装工事に関する料金にも相場金額が存在します。その地域固有の特殊な事情もあるため、全国的な平均相場があったとしても、お住まいの地域では全く異なる料金相場が形成されていることがあります。しかし、相場よりも安すぎる塗装料金には、何か問題があります。そこで、料金が安すぎる見積書の注意点についてみていきましょう。
塗装料金の価格は自由に決められる
屋根や外壁の塗装工事は、建物の価値をキープするために行われる重要な工事です。その費用は、塗装業者のほうで自由に決めることができます。
しかし、塗装工事の料金にも相場が存在しますので、相見積りによりできる限り工事料金の安い塗装業者に工事を依頼したくなります。
屋根や外壁塗装の工事料金は、塗り面積や塗料のグレードにより全く異なります。見積項目に料金の算定根拠が出ていないような業者は、正確な比較検討ができないので避けたほうがいいでしょう。特に格安料金を提示してくる塗装業者の場合は、見積内容やこれまでの工事実績などをよく見てから、工事の依頼を決定するようにしましょう。
格安料金で施工する業者の手抜きの実態
塗装作業についてよく知らない依頼主も多く、実際の塗装工程で手抜きされてしまう可能性もありますので、これまでの工事実績がわかる場合は実際に現地に行ってよく確かめたほうがいいでしょう。ここでは悪質業者の手抜きの手口についてご紹介します。
・極端に短い工期
工期が短いと職人の人件費を抑えることができます。しかし、乾燥時間を減らすことはできませんし、塗装工程の順番も省略できません。手抜き工事により、塗装品質が低くなり、塗膜の剥がれなどの経年劣化の症状が数年で発生することがあります。
・ずさんな下地処理
塗装前作業で最も重要な工程が下地処理です。既に塗られていた塗料をしっかり除去し、錆び止め処理を行うことが重要です。塗装の品質は、下地処理の出来に大きく左右されます。外観がきれいでも、下地処理がきちんと行われていないと、塗膜の剥がれやひび割れなどが発生しやすくなりす。下地処理の手抜きは、素人には見抜きにくく、施工から長期間経過した屋根や外壁の塗装面を業者に頼んで見せてもらうしかないでしょう。
・塗装回数を守らない
塗装回数は、下塗り、中塗り、上塗りの3回が基本です。見積書にも記載されていますが、悪質業者は、勝手に塗装回数を減らします。
塗装回数を減らすと、工期も短くなり、塗料代も節約できます。塗装回数はメーカー推奨回数を守る業者しか信用できません。塗装回数についても、塗装業者にきちんと確認すべき重要な項目です。
相場金額から安くできる項目を知ろう
塗装工事は、相場金額より高すぎても安すぎても何か問題があると考えてください。しかし、相場金額から少しでも安くするには、ちょっとしたコツが必要です。見積書からわかることは、工事内容の詳細、使用する塗料のメーカー名、商品名、数量、塗装面積などが正確に記載されているかどうかです。
塗装面積は、各業者からの見積書にも記載されていますので、算定根拠も調べながら塗装工事の相場金額を知ることができます。
その他、塗り回数、木部や鉄部の付帯部の塗装、コーキングの打ち替え等の必要な工事項目もきちんと含まれているのかどうかをよく確認するべきでしょう。各工事の項目とその相場金額がわかれば、手抜き作業されることなく、少しずつ工事料金を安くすることができます。
AKIHIKO ICHIKAWA