高圧洗浄が塗装の耐久性を向上させる理由
高圧洗浄は、塗装前の下地処理の一つです。塗装とは無関係に思えますが、高圧洗浄は大変重要な工程で、塗装の耐久性の向上にも一役買っています。
無視できない下地処理と高圧洗浄作業
屋根や外壁の塗装を依頼するときは、たいていの場合「塗り替え」を行うときです。塗り替えの前には、既存の塗装面をきれいにしなければ、どんな新しく高い機能を持つ塗装を施してもすぐに剥がれてきたり、塗膜の膨れや破れが発生したりします。
そんなことのないように、丁寧で必要十分な下地処理や高圧洗浄が行われます。下地処理では、ケレン、高圧洗浄、脱脂作業、クラック補修などが行われます。
高圧洗浄を行う理由
高圧洗浄は、ケレン作業の後に行われます。高圧洗浄作業を行う理由は、塗料の塗装面への密着力を高め、塗料の耐久性を向上させるためです。塗装業者の場合は、業務用の高圧洗浄機を使い、強力な水圧で外壁についた汚れやホコリなどを粉砕して除去します。最大で14.7MPa以上(150kgf/平方センチメートル以上)の強力な水圧で、カビや苔、チョーキング、塗料の残りなども取り除いていきます。
専用の器具を使いますので作業そのものは単純ですが、とても重要な作業です。作業が終わった後は、塗装前に十分な時間を取って乾燥させる必要があります。洗浄作業に4~5時間、乾燥時間にも同じぐらいの時間がかかり、屋根と外壁を同時に塗装する場合は、2日間の高圧洗浄作業が日程に充てられることになります。
高圧洗浄作業は、省略できない下地処理工程です。時間もしっかりと取って行いますので、急いで行う作業ではありません。
高圧洗浄では何を使う?流れとは?
高圧洗浄機は、最大吐出圧力が14.7MPa以上の機具を使います。業務用になると60万円以上の価格です。重量も50キロ以上あり、騒音が静音タイプでも60dB以上しますので、使用時は、水の飛散だけではなく、騒音にも注意する必要があります。
家庭用の高圧洗浄機で有名なケルヒャーは、あくまでも家庭用に購入するもので、塗装専門業者では、Wagner、清和産業、フルテックなどの業務用の高圧洗浄機を使用して作業を行っています。
モルタルは、水圧が強すぎるのでバイオ洗浄が行われています。サイディングや鉄部は、高圧洗浄をしっかりと行い、チョーキングや錆びなどをしっかりと落としたうえで次の塗装作業につなげます。
高圧洗浄で使用する水は、お住まいの住宅にある水道の水を使います。その際、直接水を使うのではなく、バケツやタンクなどに水を溜めた後に、機械で水を吸い上げて水を使用します。水道の水圧が十分ではないので、いったんバケツなどに溜めた水を使うようになっています。
高圧洗浄にかかる水道代は、施主負担です。水道代は数千円でも数時間で数千リットルの水を使用しますので、無駄遣いしないように、何事にも手際のよさが感じられる塗装業者に作業を依頼すべきでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA