昨今、人気のある屋根材にガルバリウム鋼板というものがあります。 日本瓦を代表とする粘土瓦と比較して軽量で、建物への負担も少なく耐震性にも優れています。加工性もよく、若い世代が好む今風の住宅に調和するため戸建て住宅の屋根材として、幅広く使われています。
金属屋根の一種であるガルバリウム鋼板ですが、従来の金属屋根と比較して4倍程度の耐久性が向上しました。従来の金属屋根で代表的なものといえば、亜鉛メッキ鋼板(トタン屋根)です。錆が発生しやすく、5年おきに屋根塗装の必要がありました。
ガルバリウム鋼板では20年程度、塗り替えの必要がありません。そのため現在では、亜鉛メッキ(トタン屋根)よりガルバリウム鋼板が主流となっています。
耐久性が優れているだけではなく、遮熱・断熱機能が付加された商品もあります。定期的な屋根塗装ではなく、現在の屋根の上にガルバリウム鋼板をかぶせるカバー工法を選択する人が増えているようです。
施工費用ですが、屋根塗装では1平方メートル、1800円~3500円くらい、カバー工法では、6000円~12000円が相場となります。一回の費用では屋根塗装よりカバー工法の方が5倍程度高くなりますが、定期的なメンテナンス費用を考慮したライフサイクルコストで比較すると十分検討する余地があります。
ガルバリウム鋼板の特徴
・耐用年数が長い
ガルバリウム鋼板の耐用年数は、20年~30年と亜鉛メッキ(トタン屋根)の数倍の寿命
・軽量のため耐震性に優れる
和瓦・洋瓦ではm2当たり42kg、100kgで4,200kg。スレート瓦(カラーベスト)では、m2あたり17kg、100m2で1700kg、ガルバリウム鋼板では、m2当たり5kg、100m2で500kg 屋根材の中で最も軽量な屋根材です。瓦の約10分の1の重量です。
・加工性が良い
施工しやすいため、工事期間が短くなり施工費用が安くなります。
・カバー工法で遮熱性、断熱性、遮音性が向上
トタンやスレートの上にカバー工法で屋根を二重にすれば、夏涼しく冬暖かいなどの遮熱性、断熱性が向上し、雨音を軽減することもできます。
ガルバリウム鋼板は耐久面、機能面が優れているため、今後も人気の外装材として注目されるでしょう。その反面、価格は高く、キズがつきやすいなどデリケートな材質です。
未熟な業者が施工してしまうと、仕上がりがキズだらけ、施工後雨漏りしてしまうなどの不具合もよく聞きます。優良業者を探してガルバリウム鋼板の施工やメンテナンスの相談をするようにしましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA