色のことに詳しく、深い知識を持つ方は、色の三属性を意識しながら、色選びを行っています。もちろん、外壁塗装でも「色の三属性」を意識しながら色選びと塗装を行っています。今回は、色の三属性の基礎知識と外壁塗装にはどう活かされているのかについて解説していきます。
色の三属性とは「色相」「明度」「彩度」のこと
色の三属性とは、「色相」「明度」「彩度」の3つの性質のことです。この3つを使えば、無限に色を作ることができます。
・色相とは?
色相環に見られるように赤、青、黄、緑などの色みが連続してつながったものです。色の輪、色相環にするとわかりやすく、正反対にある色が補色となります。
・明度とは?
明度は、色の明るさと暗さの度合いです。明度が高いと明るくなり、低いと暗くなります。
・彩度とは?
色の鮮やかさは彩度で表します。彩度が高いと鮮やかになり、低いとくすんだ感じの色になります。
色見本から選ぶ外壁塗装
外壁塗装での色選びは、外壁の面積が広いということや常に外部の自然環境にさらされることから、色見本で見る色に比べると、少し違って見えるという点に注意する必要があります。
塗料メーカーでは、カタログの色見本が用意されています。また、実際に色を見なければ、微妙な色味の違いがわかりません。そこで、A4サイズの塗板が用意されていますので、じっくりと見比べることができます。
また、日本塗装工業会(日塗工)では、632色の色見本帳が用意されています。色見本帳は、色相の違いやトーンの違いによる配色選びなどに活用されています。
色選びのポイントとは?
外壁塗装での色選びのポイントを簡単にご紹介します。外壁塗装では、配色は、多くても3色以内です。ツートンカラーがよく選ばれています。
全体の統一感を重視するなら、同系色の色で濃淡を変えるとすっきりしたイメージになります。
違う色を使う場合でも、必ずトーンを合わせるようにしましょう。ちぐはぐな感じがなくなります。色見本やサンプルは、大きめのものを選び、外壁と同じように屋外の昼間の明るい場所で比較検討してみましょう。
パソコンなどのソフトウェアによるカラーシミュレーションを見ても、そのまま信じないようにしましょう。実際に外に出てサンプルを見比べるだけではなく、同じ塗料を使用した外壁を見て、新築時の状態だけではなく、ある程度築年数を経過した後の外壁の経年劣化の症状などもよく見ておきましょう。外壁の凸凹が多いと、暗い感じになり、平坦な外壁ほど明るいイメージになります。
AKIHIKO ICHIKAWA