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シーリングの目的シーリングには、外壁材が温度の変化で伸縮したり、地震や強風によってたわんだりする動きに追随し、気密性や防水性を確保する目的があります。シーリングは、建築物の構造上どうしても発生する隙間を埋めるたに必要です。
シーリング材の劣化を放置するとどうなる?
シーリング材は、太陽光の紫外線や熱、地震や強風時で建物が揺れた時の負荷によって劣化していきます。軽微なひびや亀裂が徐々に大きくなり、最終的には破断、剥離が起こります。
サイディングの例では、目地部の隙間から雨水が入り、防水処理が施されていない目地部の側面や裏側が吸水・乾燥を繰り返します。それにより外壁材に変形・反りが発生します。特に寒冷地で2000年以前の建物(直貼り工法で張られている外壁が多い)の場合には吸水した部分が凍結し、膨張することで外壁材自体が剥がれる「爆裂」という現象が起こります。さらに症状が進行すると、住宅内部の腐食やカビ、錆が発生します。
シーリング材の耐久性は?
先ほどご説明したように、シーリング材は紫外線や建物の動きの繰り返しで劣化していきます。ですので、建物の立地環境や構造などの要因によってもシーリング材の寿命は変わってきます。一般的なシーリング材の耐久性をご紹介します。
・ノンブリードウレタン 5~7年
・変性シリコン 8~10年
・オートンイクシード15+ 15年
この記事を書いている2017年9月現在では、最も耐久性の優れたオート科学工業のオートンイクシード15+がおススメです。最近の15年~20年耐久の優れた塗料で外壁塗装をおこなっても、シーリング目地が5年で破断したら再度足場をかけて工事をしなければなりません。そうならないようにシーリングの種類も注目しましょう。
シーリングの費用は?
サイディングやALC外壁のシーリング工事には2種類の施工方法があります。現状のシーリング材を撤去し、新しいシーリングを充填する「打ち替え」と、現状の古いシーリングの上から新しいシーリング材をかぶせていく「打ち増し」の方法があります。おススメは、シーリングの打ち替えですが、打ち増しでも対応できる場合があります。
通常はシーリングの長さに単価をかけて算出します。
一般的な価格例「打ち替え」 900~1200円/m
「打ち増し」 500~700円/m
見積もり金額の算出方法は業者によって異なるため、費用にバラツキがあります。
例えば、A社 見積もり金額 180,000円
足場50,000円
既存撤去30,000円
シーリング打ち替え 100,000円
B社 見積もり金額 350,000円
足場116,000円
既存撤去なし
シーリング打ち増し234,000円
C社 見積もり金額 430,000円
足場 150,000円
既存撤去40,000円
シーリング打ち替え240,000円
シーリング工事の際には足場工事が必要になります。その足場を利用して屋根や外壁の塗装をすれば、足場の分だけ節約できるのでおすすめです。
AKIHIKO ICHIKAWA