砂や砂利なども「セラミック」の一種です。外壁塗装では、機能性の高い高級塗料の一つとして「セラミック塗装」も登場しています。セラミック外壁塗装とは、正しくは、セラミックを配合した塗料による塗装のことです。セラミック外壁塗装をすると、汎用塗料よりも耐久性や耐候性が上がると言われています。
今回は、誤解や失敗も多いといわれているセラミック外壁塗装について、その特徴や効果、価格について解説していきます。
セラミック塗装に使われる塗料の正体
セラミックは、無機とも呼ばれています。無機とは、石や砂などのどこにでもあるような物質です。セラミック系の塗料とは、石などをもっと細かく砕き、砂や砂利にして樹脂塗料に配合した製品のことです。
セラミック塗料というジャンルや製品があるのではなく、セラミック外壁塗装で使用されている塗料とは、実は、「セラミックを配合した塗料」のことです。
しかし、配合されているセラミックの種類は、パウダー状、砂状、着色した砂、天然石などのさまざまなものになっているので、選ぶ際には特に注意しなければなりません。
セラミック配合塗料は、使用するセラミックの種類に応じて、さまざまな異なる性能が出るようになっているからです。
セラミック塗装の特徴やメリット・デメリット
セラミック配合塗料を使うと、耐久性がアップします。セラミックが塗料に含まれていると通気性が高くなり、塗膜の耐久性が上がることがわかっています。場合によっては、20年近い耐久年数になることも多く、塗装環境に応じた正しい選択をすると、セラミック塗装は大変長持ちするでしょう。また、汚れがつきにくく、防カビ性能が向上するというメリットもあります。
逆に、セラミック配合塗料を選ぶ際のデメリットといえば、施工費用が汎用塗料よりも高く、いくら高性能であっても値段の高さがネックとなり、施工の際のハードルとなってしまうということです。
セラミック配合塗料の1平米あたりの単価は、3500~4000円が標準でかなりの高額です。これは、シリコン系塗料の倍近い施工単価になり、予算に限りがある場合は、セラミック配合塗料を選べないということになってしまいます。しかし、セラミック配合塗料は、20年近い耐久年数を持っています。
汎用のシリコン塗料は、耐用年数が10~13年程度ですので、20年でコストパフォーマンスを比較すると、塗り替えが不要ですので、シリコン系塗料とそれほどの違いはないといってもいいでしょう。
「セラミック塗料」という種類の塗料はない
間違えやすいポイントですが、「セラミック塗料」という種類の塗料は存在しません。現在存在 する「セラミック塗料」とは、ウレタンやシリコンなどの樹脂の塗料にセラミックを添加しているだけで、セラミックそのものが塗料だという認識は誤りです。
そのため、ウレタンのセラミック配合塗料やシリコンのセラミック配合塗料、フッ素のセラミック配合塗料といった形で、各種グレードによってセラミック配合塗料が存在し、各グレードのメインとなる樹脂が耐用年数を決定しています。
セラミックを配合すると耐候性や耐久性がアップしますが、極端な性能向上につながるものではありません。セラミック塗料というだけで、耐久性、断熱性や耐候性などを誇張しすぎる広告宣伝文句を見たら、警戒したほうがいいでしょう。
必ず配合されているセラミックの成分や効果、施工実績などについてもよく確認した上で、正しい塗料選びを行うようにしましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA