屋根・外壁塗装で知っておくべき工程や作業のポイント
屋根や外壁の塗装においても、一連の作業の工程や流れがあり、一つ一つの作業には重要な意味があると考えてください。
塗装にも下塗り、中塗り、上塗りの三種類の基本の工程があり、どの工程も必要なため省略することはできません。
今回は、屋根や外壁塗装で知っておくべき作業工程や作業ごとのポイントについて解説していきます。
外壁塗装工事の全体の流れ
住宅の塗装工事といえば、主に屋根や外壁部分が多いのですが、ここでは依頼の多い外壁塗装に絞ってご説明してします。
外壁塗装工事の全体の流れは、まず最初に足場を設置し、その後、高圧洗浄機による高圧洗浄、塗装前の下準備、下地処理、外壁の下塗り、中塗り、上塗りを行います。
さらに、付帯部の仕上げ塗りを行った後、施主と共に最終確認を行います。問題がなければ、足場を撤去して塗装工事全体が終了します。
外壁塗装工事では、屋根の塗装を同時に行う場合もありますが、屋根と外壁の塗装を同時に行うのではなく、各塗装箇所の塗装が完了したことを確認して次の塗装箇所の作業工程に移ります。
外壁や屋根の塗装では、一つ一つの工程での作業を手抜かりなく行うことがとても重要なので、省略したり、急いだりする必要はありません。
強風や降雨などの悪天候時には作業を中断することもあります。品質を向上させるプロの丁寧な作業は、塗料の性能を最大限に発揮させるためには必要なものであると考えてください。
塗装に間接的に影響する足場、高圧洗浄、養生など
塗装作業ではありませんが、間接的に影響する作業工程もあります。例えば、塗装前の作業で重要なものの一つが、足場の設置です。
屋根や2階以上の住宅の塗装の現場では、塗装の職人が安全になおかつスムーズに作業ができるように必ず足場を設置しています。
強度が高く移動もしやすい安定した足場を使っての集中作業ができるため、転落事故も防ぐことができます。その後、塗料の飛散や汚水などの飛び散りを防ぐ、飛散防止ネットも張っていきます。
塗料は塗装時だけではなく、風が吹くだけでも気づかないうちに近隣の住宅にまで飛散してしまうことがあるからです。
塗装業者では、足場の設置や養生作業などの塗装前の事前準備を完璧に行い、近隣トラブルを事前に防ぐようにしています。
このような事前準備の後に、高圧洗浄機による高圧洗浄で汚れや古い塗料を洗い流しています。
手作業では時間もかかり、完全に汚れが落とせないこともありますが、業務用の高圧洗浄機を使えば、短時間で作業が完了させることができます。
塗装前の最後の工程となる養生は、塗装しない箇所に対して実施しています。例えば、玄関のドアやサッシなどの部分は塗装は不要です。養生は、塗装する箇所としない箇所との境界線をきれいな仕上がりにするためにも必ず行われています。
下地処理、下塗り、中塗り、上塗り工程
ここから先は本格的な塗装作業へと移りますが、塗装前の準備もかなりの時間を割いて行っています。下地処理も塗装直前の重要な作業工程としてみなされています。
塗装する外壁面を調査して、ひび割れや剥がれ、膨れなどの不具合箇所や破損箇所などの気になる劣化症状が見つかった場合は、必ず補修を行っています。
外壁の塗装では下塗り、中塗り、上塗りの3回の重ね塗りが行われています。三度塗りとか三回塗り、などと呼ばれていますが、各工程には重要な役割と意味があり、省略することはできません。
最初の下塗りでは塗料を定着させる目的で行われています。次の中塗りと上塗りは同じ塗料を使用することが多く、外観を決める色になりますので施主が指定した色を塗ることになります。
中塗りと上塗りは手抜きや塗り忘れを防ぐために、少しだけ色を変えることがあります。中塗りは、下塗り材をコーティングして、上塗り工程の下地としての役割を果たしています。
下塗りは下地の種類によって、1回ではなく2~3回も行われることがあります。塗装工程の一連の流れを知ると、屋根や外壁の塗装工事では、目立つことがなくわかりにくい下流工程での下準備がとても重要で、時間も手間もかけているということがよくわかるようになります。
AKIHIKO ICHIKAWA