軽量で錆びにも強い新しい屋根材のガルバリウム鋼板ですが、塗装メンテナンスが必要になることがあります。ガルバリウム鋼板屋根であっても、錆び止めや塗装は必要です。そして、塗装に関する技術も必要だと言われています。ここでは、ガルバリウム鋼板屋根の塗装の注意点について解説します。
ガルバリウム鋼板も劣化する?
ガルバリウム鋼板は、主にアルミニウム、亜鉛、シリコンなどで構成されている、アルミ亜鉛合金めっき鋼板です。軽量で耐熱性や防水性、熱反射性、耐食性などの各種性能において、他の屋根材よりも優れているとされています。特に亜鉛の犠牲防食作用により、錆びや腐食に強く耐久性に優れています。
ガルバリウム鋼板は、メンテナンスが不要という屋根業者もいますが、劣化すると、各種錆びが発生するだけではなく、屋根表面の色あせや屋根材の浮きなどの劣化症状が見られます。
ガルバリウム鋼板屋根の色あせなら屋根の塗り替え、屋根材の浮きにより雨漏りがするなら葺き替えやカバー工法による重ね葺きが行われます。
ガルバリウム鋼板で発生する錆びには、赤錆び、白錆び、もらい錆びなどがありますが、発見したら錆びを丁寧に取り除き、塗装し直します。早めに錆びの箇所を発見したら、部分補修と部分的な塗装で修理が済むことがほとんどです。
高い塗装技術が必要なガルバリウム鋼板の塗装
ガルバリウム鋼板の塗装メンテナンスがあまり実施されていない理由の一つに、塗装の難しさがあります。塗装面が金属であることから、普通に塗装しても付着しにくいという特徴があるからです。アルミの表面のようにつるつるしている素材の場合、塗料を密着させるためには、下塗り材に専用のプライマーを塗装する必要があります。
このように、ガルバリウム鋼板の塗装には特殊な技術や専用の塗料が必要となりますので、必ず施工技術や経験のある塗装業者に塗装工事を依頼するようにしましょう。
塗装費用や塗装時の注意点
ガルバリウム鋼板は、耐久性の高い素材で、通常では20~30年の耐用年数があります。塗り替え時期の目安は、10~15年となっています。ガルバリウム鋼板にはあらかじめ塗装されている屋根が多く、表面の色あせが見られたら塗装の時期が来ているとみていいでしょう。
塗装費用は、塗料のグレードにより大きく異なります。一般的なシリコン塗料なら1平米あたり1600~2200円です。フッ素塗料なら1平米あたり1800~3600円、遮熱塗料なら1平米あたり2300~2800円です。
ほかにも塗装費用には、
足場設置撤去費用、1平米あたり600~800円、
飛散防止ネット代、1平米あたり100~200円、
養生費用、1平米あたり250~400円、
廃材処理費などの諸経費が別途必要です。
AKIHIKO ICHIKAWA