建物の大規模なリフォームやメンテナンスは、10~20年に一度あるかないかの工事です。まだ一度も大規模リフォームを経験していない方や前回やった時期を忘れてしまっている方も多いでしょう。そこで屋根工事や外壁塗装工事でのよくあるトラブル事例を知ると、事前対策を施すことができ、失敗が少なくなります。
屋根工事でよくあるトラブル事例
・ご近所トラブル
屋根工事に限らず、ご近所トラブルは、リフォーム時には必ず発生するものです。大小さまざまなご近所トラブルがありますが、各種リフォームや塗装工事を行うということは、毎回近隣住民の方にご迷惑をおかけしていると認識しておきましょう。
住宅地や住宅密集地では、他のご近所の方も必ず塗装や葺き替えの工事を行うでしょう。騒音や臭い、駐車トラブルなど、考えられる苦情やクレームについては、事前対策を行いましょう。
塗装業者では、養生や飛散防止ネット、専用のシートなどで対応しています。さらに隣家への工事前、工事後のご挨拶などもしっかりとやっているところなら、安心して工事を任せることができます。
・塗装の不具合
塗装工事は、専門家によるものでないと失敗しやすく、塗装した後になって手抜き工事や技術的なミスが発覚することがあります。特に塗装前の洗浄、ケレンなどの下地処理はとても重要です。
塗装工事後一年以内での塗装のトラブルは、保証で無償対応可能であるのかどうかも確認しておきましょう。施工不良などの技術的なミスでない限り、塗装の塗膜は耐用年数程度の性能を保持するからです。
・屋根業者選びの失敗
屋根や外壁の他、塗装工事での失敗の一つに業者選びの失敗が挙げられます。ご自身で見積りや点検を依頼していない場合、屋根や塗装に関する知識が全くないことがあります。訪問営業による屋根工事や塗装工事の営業マンは、即決を迫り、考える余地を与えません。
クーリングオフ制度もありますが、知らずにだまされたまま悪質な業者と契約してしまうことがあります。いったん、お金を払ってしまうと、返金が難しくなりますので、「即決」や契約の締結を急がないようにしてください。
外壁塗装でよくあるトラブル事例
・外壁の色選びの失敗
外壁塗装色は、屋根の色よりも色の種類や数も豊富で、いろいろな組み合わせを楽しむことができます。しかし、色見本やカラーシミュレーションを何度やったとしても、実際に塗装した色を見ると、想像していたイメージと全く異なるものが出来上がってしまうことがあります。
トラブルを防ぐには、色見本帳なども大きなサイズで確認し、実際に塗装した色を確認するために、日の当たる昼間や夜、雨の日などのさまざまなシチュエーションにより、塗装色の確認を行うべきでしょう。
・塗装直後の塗膜の剥がれや色あせ
塗膜の剥がれや色あせは、経年劣化により必ず生じるものですが、塗装後一年以内にこれらの症状が発生するようであれば、施工ミスの可能性が高いでしょう。原因としては、高圧洗浄やケレンなどの不適切な下地処理です。
他には、上塗り塗料に合わない下地塗料を使っていたり、使用量を間違えていたりする場合もあります。保証対象の不具合・トラブルであれば、塗り直しを依頼してみましょう。
・錆びの発生
外壁塗装では、サイディングボード以外にも木部や鉄部の塗装を行うことがあります。鉄部は、錆びやすい箇所です。木部は、木材独特の特徴により、木目があり専用塗料による塗装を推奨します。多くは、錆び取りなどの不十分なケレン作業、塗装面に適さない塗料を使用したことによる技術的なミスだと考えられます。
AKIHIKO ICHIKAWA