住宅建物の主要なメンテナンスとなるのが、屋根や外壁部分の洗浄や補修、塗装、葺き替え・張り替えです。屋根と外壁は異なる箇所ですので、メンテナンスの方法や時期なども少し異なります。ここでは、屋根と外壁に絞って、各メンテナンス方法や時期などについて解説します。
屋根のメンテナンス時期
屋根といえば、日本では瓦屋根が主流です。その他、メンテナンスが必要な屋根材といえば、トタン屋根やスレート瓦です。陶器製の本瓦の場合、瓦が長寿命であるため、5~10年ごとに定期点検を行い、瓦以外の漆喰や部分補修を行うようにしてください。
スレート瓦や金属製のトタン屋根は、塗装と葺き替え工事が実施されます。塗装は、7~10年に一度実施しなければなりません。耐用年数の長い屋根材の場合は、耐久性の高いグレードの塗料を使用し、塗り替え時期を合わせるようにしましょう。塗り替え回数が多いと、毎回高い工事費用がかかり、メンテナンスコストが割高になってしまうので注意してください。
その他、5~10年ごとに定期点検を行い、補修箇所が見つかったら随時補修工事を行います。耐用年数を過ぎた屋根材は、葺き替え工事を行いましょう。時期は、各屋根材の耐用年数ごとに異なります。
外壁のメンテナンス時期
メンテナンス時期は、外壁材の素材の他、使用している塗料によっても異なりますので、塗り替え時期なども含めて総合的にメンテナンス時期を判断する必要があります。
一般的な窯業系サイディングの場合は、7~8年が耐用年数です。サイディングの種類別にみると、金属系10~15年、樹脂系10~20年、木質系10年です。
モルタルが8~10年、ALCは10~15年です。タイルは耐用年数が長く、40年近くもちます。
塗料は、一般的なシリコン系塗料が10~12年、ウレタン系が8~10年、フッ素系が12~15年です。外壁材に塗る塗料の耐用年数を外壁材の耐用年数に合わせると、メンテナンスの回数が減り、コスパもよくなります。
屋根や外壁のメンテナンス時期に合わせて修理やリフォームを実施
効率的に建物のメンテナンスを行うには、屋根と外壁の修理、リフォームを同時期に行うことです。大規模な工事は、足場を組む作業が発生し、費用がかかるうえに騒音や臭いなどで周囲にも迷惑がかかります。
できれば、一度で屋根と外壁の工事を済ませるようにし、メンテナンスの回数を減らすようにしましょう。そのためには、屋根や外壁の耐用年数や劣化症状についての知識をよく学び、定期点検を行いながら、適切なメンテナンス機会を逃さないようにしてください。
AKIHIKO ICHIKAWA