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弊社において、ミサワホームにお住いの方からいただく「よくある質問」とその回答についてご紹介します。
ご質問
ミサワホームの外壁塗装について教えてください。
外壁材は、ミサワ独自の気泡を含んだ「ニューセラミック」という軽石のような素材を使っています。
ミサワの営業の方によると、「独自の塗料を使った塗装を行わないと、気泡の影響によって塗装後に剥がれやすくなる可能性がある」と言っていました。
見積もり金額が思った以上に高額なため、できれば信頼できる塗装店に直接施工をお願いしたいのですが、特殊な外壁のため、やはりハウスメーカーでないと工事は難しいでしょうか?
回答
ミサワホームの公式HPには下記のような記述が記載されていますのでご確認ください。
ミサワホームの「ニューセラミックス外壁」とは、PALCのことです。
PALCを日本語に直訳すると、「高温高圧蒸気で養生された軽量気泡コンクリート」といった意味になります。
PALCは、多孔質軽量のセラミック素材のことで、ミサワホームが多機能素材として独自に開発した製品、ということになっています。
ちなみに、頭のPがなければ、ALCということになります。
ALCといえば、おなじみの軽量気泡コンクリート(autoclaved lightweight aerated concrete)のことです。
ALCは特殊な壁ではありませんので、たいていの塗装屋さんなら普通に外壁塗装を行うことができます。
ALCとPALCの主な違いとは?
ALCの製造工程
1.原材料調合 2.鉄筋加工・組込み 3.注入・発泡 4.切断(半硬化の状態で所定のサイズに切断しています。)
PALCの製造工程
1.原材料調合 2.製品サイズの型枠に注入・発泡 3.脱型
要するにALCでは、発泡後に所定のサイズに切断してから製品にしているのに対し、PALCでは、事前に製品サイズの型枠で発泡させているため、切断が不要になる点が大きな違いです。
つまり、文字通り、P=プレキャストの有無の差ということになります。
※プレキャストとは、あらかじめ工場で製作された製品のことを指し、現場で製作されたものよりも高品質で部材も小さくすることが可能です。
ミサワホームの「ニューセラミックの外壁」とは?
ミサワホームのニューセラミックの外壁は、珪石と石灰岩を主な原料として作られています。
これらの原料は、紫外線によって分解されない(劣化しない)という特長を持つ鉱物で、粉末状にした後に外壁に混ぜることで、物性を高めています。
ニューセラミックの外壁表面は、デザイン性に優れ、表情が豊かになる、という大きな特長を持っています。
ニューセラミックの外壁塗装を行う際の注意点
凹凸が比較的大きめになっている外壁なので、塗り残しが発生しやすくなる点に注意しなければなりません。
塗り残した部分があると、塗膜の保護機能がないために、劣化しやすく吸水して水分を含むような状態が続くと、塗膜の膨れや剥がれなどの各種トラブルが発生してしまいます。
また、外壁に含まれているセラミック素材が風化すると、ポロポロと中に入っていた骨材が落ちてくるような劣化現象が発生します。
外観を損ないやすく、骨材が塊となって落下することもありますので、補修や何らかのメンテナンスが必要です。
当然、その上からそのまま塗装を行うことはできませんが、下地処理が甘いままで無理に塗装すると塗膜剥離の原因にもなりますので、現在の状態の見極めをしっかりと行い、適切な塗料の選定なども塗装品質を大きく左右することになるでしょう。
ミサワホームの外壁材をはじめとして、各種大手メーカーの素材を数多く取り扱い、経験豊富な塗装屋さんなら安心して塗装工事を依頼できるはずです。
ミサワホームの10年保証について再確認
大手メーカーによる手厚い保証にはなりますが、あくまでも「塗膜面の保証」に限定されています。
具体的な事例としては、極端な変退色、塗膜の剥離、塗膜の膨れ、塗膜のひび割れなどの不具合やトラブルを対象としています。
期限内で、上記のような異常が発生したと認められた場合、部分的な塗り直しによる補修工事が行われています。
しかし、あくまでも塗膜の保証に限定されており、素地(壁などの本体)が原因での、ひび割れ、膨れ、剥がれなどは保証対象外となっている点には注意しなければなりません。
ミサワホームの建築資材でよくある劣化症状
・基礎のひび割れ
・シーリングの劣化
・外壁材のひび割れ
・ベランダのアルミ笠木の色あせ
・屋根材(カラーベスト)の色あせ
・木目鋼板の劣化
・アルミ玄関扉の色あせ
・水切りコーナーの割れ
屋根材はコロニアルグラッサか陶器瓦が多い
屋根材が「コロニアルグラッサ」なら塗装が必要です。
塗装はあくまでも屋根材の保護が目的となっていますので、屋根自体の寿命を延命するものではありません。
塗装が雨漏りの直接的な原因になっているわけではありませんので、耐久性の高い屋根材で新築後30年を目途に屋根材と下地ルーフィングを交換する予定なら、塗装はする必要はないかもしれません。
(ガルバリウム鋼板でのカバー工事後)
屋根材が古くなって、ダメになるまで使い切ってから張り替える、それもありです。
しかし、そのタイミングをきちんと見極められるか、また、それまで見た目がボロボロでもいいか?といった問題をクリアしなければなりません。
雨漏りが発生してから応急処置や補修を行うようでは、余計に費用がかかってしまうからです。
雨漏りするかどうかのギリギリの判断や見極めは、プロでもできないと考えてください。
塗装よりシーリングをきちんと打ち替える
(既存シーリング撤去)
(シーリング新設)
外壁材がセラミックでもサイディングでも、シーリングは撤去して打ち替えるのが基本です。
なお、ALC外壁材の場合は、コーキング撤去の際に壁自体に傷がつきやすい作業ですので注意が必要です。
外壁ジョイント部やサッシ廻りのシーリングをしっかりと処理していないと漏水の直接的な原因になることがあります。
また、バルコニーのドレン(排水穴)付近を重点的に漏水の点検を行い、必要に応じてドレン内部のシーリングの打ち替えやドレン役物と配管との接合部の剥がれ(接着剤の寿命)補修を実施してください。
ひび割れについて
大きなヒビ割れが入っている場合は、ニューセラミック同士の間隔が狭いなど、設計または施工上のミスで余分な荷重がかかって、割れが起こるケースがあります。
下から浮き上がるようなひび割れなら、ニューセラミック内の鉄筋が錆びて膨れている状態です。
いずれにせよ、内部に水が入ると劣化が進行しやすいので、早めのメンテナンスをオススメします。
ミサワホームのその他の外壁材
基本的にタイル系、セラミック系、サイディング、プレーン(タイル吹き・リシン・スタッコ)などの4種類
ミサワホームは、木質系構造の外壁材は主にサイディングボードを使用し、鉄骨ラーメン構造の外壁材は耐久性、耐火性、耐震性に優れた多機能素材「ニューセラミック外壁」を使用しています。
どちらの外壁材もジョイント部やサッシ周りにシーリングが施工されており、シーリング工事を実施した上での塗装工事が必要です。
シャッターボックスなどの塩ビ被膜鋼板
ミサワホームや積水ハウスをはじめ、ハウスメーカーの建物によく見られるのが「塩ビ被覆鋼板」という材質です。
鋼板を耐候性に優れた塩ビ樹脂で覆ったもので、シャッターボックス、窓庇(まどひさし)といった部分に使用しています。
塩ビ被膜鋼板には、塩ビ用のプライマーを塗布して施工します。
直接上塗りすると、塗装後もしばらくべたつきが残り、ごみを付着させて、工事後すぐに美観を悪化させてしまうので注意が必要です。
それなりの商品知識と技術力が必要
ミサワが使っている塗料はごく普通の塗料ですし、特別なものではありません。
ただ、ニューセラミックは、ザラザラした質感のものもあって、同じようなザラザラした質感に仕上げたい場合は、それなりの商品知識と技術力がある塗装店でないと綺麗な仕上がりになりません。
ミサワホームの外壁や屋根、付帯部は下地に対応した塗料の選択で悩むことがあります。
多数の施工実績を持つ信頼できる業者に施工を依頼することをお勧めします。
AKIHIKO ICHIKAWA