出典:http://pojisan.com/3DECODAMA/3DECODAMA.htm
「リシン吹付」は、一般にはあまり聞きなれい言葉ですが、外壁ではとても人気のある仕上げ方法です。まるでヨーロッパ調のおしゃれな住宅の外壁にはよく使用されています。 過去には無害のアスベストが含まれていたこともあります。ここではリシン吹付のデメリットについて検討してみましょう。
リシン吹付とはモルタル外壁の模様
モルタルの外壁は、さまざまな仕上げ材により、いろいろな顔を持つ外壁に仕上がっていきます。リシン以外にも、スタッコ、吹付工法、ローラー工法、コテ工法などがあり、それぞれに微妙な色合いや模様の違いが見られます。これらは多様なモルタル外壁の模様の違いを生み出しています。
リシン吹付の原料となるものは、セメント、アクリル、顔料、骨材などです。これらを混合した材料を「リシンガン」と呼ばれる専用のスプレーで外壁の表面に吹き付けていきます。リシン吹付の外壁をイメージで表現すると、ざらざらした土壁のような表面となります。
リシン吹付のデメリットとは?
リシン吹付は、初期費用も安く、通気性に優れているので、外壁の躯体を長期間保存でき寿命が延びます。 ただ、他の仕上げ材と比べると耐用年数が短くなっています。見た目にも土壁のような仕上がりで、和風住宅でも人気です。見る人に高級で重厚なイメージをアピールすることができます。
リシン吹付のデメリットは、外壁表面に凹凸が多いので、雨が降ったときに雨水と汚れがつきやすく、その後も残りやすいということです。湿気の多い場所ですと、カビや苔が繁殖します。
建物にクラックなどのひびが入ると追従できないので、リシンが割れてしまいます。その割れ目から雨水が浸入し、建物内部の木材の腐食につながっていきます。こうしたデメリットを解消するために、ひび割れしない「弾性リシン」も登場しています。
メンテナンスとリシン吹付のアスベスト問題
リシン吹付仕上げの外壁のメンテナンスでは、外壁業者・塗装業者に高圧洗浄作業を依頼する方法があります。高圧洗浄により、汚れを落としすっきりきれいなリシン吹付の外壁に戻ります。
色あせの場合は、ウレタン樹脂塗料やシリコン樹脂塗料で再塗装します。 下地の傷みは必ず補修しますが、塗料には塗膜が破れにくい弾性塗料を使うと、ある程度のひび割れの発生を予防できます。
今現在では使われていませんが、過去のリシン吹付にはアスベストが使用されていたことがわかっています。 しかし、過去に使われていた仕上塗材であっても、発がん性の高い青石綿は使用していませんし、アスベストの粉じんが飛散することはないということです。外壁のアスベストで再塗装を促し、契約を迫る業者には少し注意したほうがいいでしょう。
AKIHIKO ICHIKAWA