外壁塗装でポイントとなる色に関する注意点
建物の中でも最も目立つ場所にあって全体のイメージを作っている外壁は、毎日風雨や紫外線などの外部環境にさらされています。
穏やかな季節ばかりではなく、日本には四季があって、台風の多い夏や秋、雨の多い梅雨や秋、冬は雪が降るなど、建物や外壁に与える影響は大きなものです。
外壁用の専用塗料による塗装は、そのような厳しい自然環境から外壁を保護するという重要な役割を果たしています。
しかし、このような外壁の塗装行ってメンテナンスを実施していたとしても、クラック(ひび割れ)やチョーキング現象などの典型的な外壁の経年劣化症状の発生は、常に起こるリスクをはらんでいます。
色褪せやチョーキング現象、クラックの発生を見つけても、何もせずに放置しているとすぐに家が傷んでしまうでしょう。
基本的には塗装を予定している塗料の寿命を把握した上で、定期的に補修を含めた外壁塗装などの各種住宅の適切なメンテナンスを実施することが、住宅を長持ちさせるコツの1つであるということになります。
ただ、ここで忘れてはならないことが、塗料の色に関するいろいろな注意点です。
住宅塗装で使用する色選びであっても、使える色の中から好きな色を選べばいい、といった単純な問題ではないからです。
基本的には、自分の好みを反映した色選びを行うことになるとは思いますが、その決定の際には色見本をよく見て、カラーシミュレーションをしっかりと行い、微妙な色合いなどをよく比較検討して色を決めることになるでしょう。
微妙な色の違いや各自の好みは、言葉で言い表すことが難しく、インスピレーションによるところが大きいと思われます。
しかし、しっかりと比較検討して色選びを行ったにも関わらず、いざ出来上がった外壁の塗装色を見てみると、思っていた色と違った色になっている、ということが非常に多いということが現実のようです。
こうした色選びの失敗の原因として最も挙げられているが、「色の面積効果」です。
「色の面積効果」とは、見る面積が大きくなると明るい色はより明るく見え、暗い色はより暗く見えるという効果があるということです。
屋外の外壁といった広い面積に塗装するため、想定していた以上に大きな面積効果が働いてしまうことは言うまでもないでしょう。
このことから、定形でサイズの小さい見本で見た色と実際に建てた建物の外壁塗装の色が違って見えてしまう、といったことも実際の塗装の現場では珍しいことではなく、よく起こってしまうことを知っておいてください。
これまでご説明してきたような数々の注意点があることから、外壁塗装の色を選ぶ際にはこういったことを頭によく入れておいて、カラーシミュレーションの色を見せてもらったり、屋外の日向での色の見え方を確認したりするなど、考えられる様々なシチュエーションを検討しながら、塗装で候補となった色をしっかりと比較検討しておくようにしてください。
AKIHIKO ICHIKAWA