近年、新築などで一般的に使われている外壁材といえば、サイディングボードです。種類も数多くあります。主に窯業系サイディング、金属サイディング、高い意匠サイディングに分類され、メンテナンス時の塗装方法もそれぞれ違ってきます。
最も一般的な窯業サイディングボードは、強度の優れたセメントと断熱性が優れた木質系成分を混合した構造です。
窯業系サイディングボードの塗り替え方法は、下塗りにはひび割れ追従性に優れ、上塗りの吸い込みを少なくし綺麗に仕上がる水性系のフィラーやサーフと呼ばれる下塗り塗料または、弱溶剤のエポキシシーラーを使用します。その後、サイディングボードに適した上塗り塗料で塗装します。上塗り塗料よりも下塗り塗料の適切な選定が重要です。
次に金属系のサイディングですが、表面はスチールなどで裏に断熱材を入れており腐食しにくい丈夫な性質持ったサイディングボードです。軽量のため建物への負担も少なく、加工性もよいので施工費は安価になります。
金属サイディングの塗り替え方法ですが、下塗りには、サビ止め効果のある弱溶剤プライマーが適しています。上塗り塗料には、錆止め効果が期待できる弱溶剤塗料がオススメです。
高意匠性サイディングボードは、レンガ調や石調等のサイディングや綺麗な模様や柄の入ったサイディングです。塗らなくてもよいと認識している方も多いいですが、やはり塗装が必要です。
色あせが少なく築後10年以内の外壁であれば、意匠性を損なわない透明なクリヤー塗装がお勧めです。1色塗りつぶしの通常の塗り替えではなく、新築時の外壁の模様をそのまま表現できます。
しかし、10年以上経過したお住まいの場合、色あせや外壁材の剥がれなど生じているケースが多いです。そのような場合は透明なクリヤー塗装では、劣化部分を隠すことができないため、窯業系サイディングボートと同様の仕様で塗装を行うことになります。
クリヤー塗料で塗装する場合の注意点として、高意匠サイディングボードの中には無機やフッ素、光触媒塗料など塗料と密着しにくく表面処理が施されているものもあります。あまり劣化していないサイディングや艶が残っている場合は注意が必要です。
外壁塗装では、上塗り塗料ばかり気になりますが、実は、下塗り塗料の選定がとても重要になります。そのため下塗り塗料が正しく選定できる経験豊富な業者に診断してもらいましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA