【外壁・サイディング】直貼り工法と通気工法
外壁材・サイディングの施工法には、直貼り工法と通気工法があります。業界の専門用語を使うと、この二つの工法の違いは、見た目にはわかりにくいものですが、「通気胴渕」があるかないかで、はっきりと分けることができます。最近の主流は、品確法の標準工法となった通気工法です。
隙間・通気胴渕があると通気工法
外壁材・サイディングの施工法で、直貼り工法と通気工法との違いは、通気胴渕と呼ばれる隙間があるかどうかで判断できます。直貼り工法の場合は、サイディングと構造用合板の間には、透湿防水シートが入っています。隙間がないので、直貼り工法ということになります。一方、通気工法の場合は、サイディングの間に通気胴渕があり、隙間があります。その内側に透湿防水シート、構造用合板があります。
通気工法のメリット
通気工法のメリットを考える場合は、直貼り工法と比較するとわかりやすくなります。直貼り工法では、透湿防水シートはありますが、室内からの湿気が逃げる場所がなく、「内部結露」が発生しやすい状態になっています。外壁が水分を吸ってしまうと、次第にサイディングが腐食し、変形したり、ボロボロになったりします。
丈夫な外壁材であっても、内部から腐食しますので、外壁材の劣化が早まり、早期に大金をかけて外壁の交換工事が必要になることがあります。通気工法の外壁サイディングは、室内の湿気が通気層から排出されていくので、外壁が水分を吸収することを防ぎます。通気工法なら外壁の腐食や劣化が少なくなり、外壁サイディングも長寿命になります。
2000年4月より通気工法は義務化されています
サイディングの工法では、直貼り工法か通気工法かで迷うことはなくなりました。その理由は、2000年4月より、品確法により通気工法が義務化されており、リフォーム時にも外壁サイディングを交換する場合は、通気工法でしか施工できないことになっています。
コストを抑えた建売住宅では、工程が少ない直貼り工法が採用されていることがあります。塗装メンテナンスでは、古い直貼り工法の外壁サイディングの塗り替えは、通気性の問題をクリアする必要があり、できる限り通気性の高い塗料を選ぶ必要があります。
耐久性の高い塗料や溶剤系の塗料、弾性の高い塗料を選んでしまうと、透湿性のある塗料であっても、熱により塗料の塗膜の膨れが生じることがあります。直貼り工法のサイディングの場合は、塗装業者にもよく相談したうえで今の外壁材や状態に合った塗料選びや塗装工事を行うようにしましょう。
AKIHIKO ICHIKAWA