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旭化成(へーベルパワーボード)や三井ハウスなどで使用される外壁パネル(ALCパネル)について解説していきます。ALCパネルとは、オートクレーブド・ライトウエイト・コンクリート (高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート)の頭文字をとって名付けられた建材で、板状に成型したものを「ALCパネル」と呼びます。
180度の温度で10気圧かけて20時間養生します。その際に水酸化カルシウムが消石灰と化学反応を起こし水素ガスが発生します。それが空気と置換することによってスポンジ状のコンクリートができます。軽量コンクリートですから、一般のコンクリートに比べ強度は落ちます。メリットはスポンジ状ですのでPC板や窯業系サイディングよりも断熱性が優れています。
ALCパネルのメリット・デメリット
メリット
・軽量な外壁材(コンクリートの4分の1の軽さ)
・断熱性が高い(内部の無数の気泡の働きで断熱性が高い)
・耐火性が高い(無機質なので燃えにくい)
他にも、遮音性が高い、調湿に優れる、地震に強いなど様々なメリットがあります。
デメリット
・吸水性が高く水に弱い
へーベルハウスは北海道と東北には建てられない?
へーベルハウスのホームページを見ると東北と北海道には展示場がなく、対応エリアではないと表示されています。寒冷地では、ヘーベルハウスが外壁に採用しているALC板の凍害リスクが高いからでしょう。ALC板に限りませんが、吸水する外壁材は凍ると膨張し外壁を傷めます。
建設業界では「ALC=雪国NG」と刷り込まれています。リスクが高く、採算が合わない東北地方や北海道に進出するよりは、都心部の防火地域で対応できる優位性を活かした事業計画をしているのではないでしょうか。
もともとALCは北欧で開発され、その歴史は案外浅く、日本に入ってきたのは1960年です。ちなみに日本より寒い欧州の建築基準法では、耐候性の問題で、一般住居にALCを使用することは禁じられています。
ALCは表面の塗装が重要
ALCは微細気泡とそれをつなぐ細孔を多く含んでおり、毛細管現象により表面から水を吸水していきます。最大で10~40%(容積)もの吸水率示し、吸水してしまったALCは、強度、断熱性、調湿性などが低下し、ALC本来の長所を活かせなくなります。
寒冷地では、吸水した水が凍ることで体積が増え剥離してしまうことがあります。そのためALCの性能を維持するためには表面への防水塗装が必要不可欠です。
無塗装で雨に当たると多孔質であるALCは吸水して内部補強鉄筋に錆を生じさせ、錆で膨張した鉄筋に押されて表面にひび割れが生じてきます。ALCにおける塗膜の消失は、即劣化が進行し始める事を意味します。
ALCの塗り替え時期?
一般的に10~20年程度で、外壁塗装と屋上の保護塗装が必要です。立地環境や新築時の仕様にもよるので、年数というよりは下記の症状が出始めたら塗り替えの時期と考えてください。
下記のような症状を見つけたら塗り替えの時期です。
・シーリングの劣化
・塗装のはがれ
・色あせ
・藻やコケ
・チョーキング
(壁に触ると手に白い粉が付く現象)
ALCパネルシーリングの処理
理想は、既存を撤去して打ち替えです。ただ、ALCの目地は普通のサイディング壁と違い、ものすごいm数があります。シーリング費用はm数×単価で計算します。建物大きさにもよりますが、シーリング工事だけで50~100万円かかるケースもあります。
また、既存シーリングの上にも仕上げ塗装(模様がついている)が吹付けてありますが、シーリングを撤去すると模様はなくなります。新しくシーリングした面だけ、ツルっとした仕上がりになります。
美観や費用の問題など費用対効果で考えると現実的には、ALCパネルのシーリング材は、増し打ちで施工しているケースが圧倒的に多いと思います。私もALCパネルのシーリングを増し打ちで施工してきましたが、そこから雨漏りしたなどの問題は起きたことがありません。
※今後起きるかもしれません。全撤去のうえ、耐久性の高いシーリング材での打ち替えが基本です。
一般的の施工法
目地の下処理をしてからある程度の厚みを持たせて増し打ちをおこなう。劣化が進んでいる個所は、撤去して打ち替える。一方ハウスメーカーや公共工事では打ち替えが多いですが、ハウスメーカーでも、15年耐久仕様ではシール増し打ち、30年耐久仕様はシール打ち替えです。
予算があれば打ち替えてください。予算がなくて増し打ちをおこなっても問題が起こる確率は低いと思います。
ヘーベルの塗り替え時には、目地を状態に応じて適切に処理する必要があります。なんでも撤去打ち変えがするべきという人がいますが、それは間違いです。リンク先に旭化成の見解も書かれています。
http://www.casanavi.co.jp/akk/qa.php#14
シーリングの撤去は技量が必要
ALC板は軽く、そして脆い発泡コンクリートが主体ですので、無理なシーリングの撤去は板そのものを傷めます。取り返しのつかない部分まで壊れては元も子もありません。
ヘーベルハウスの住宅はマンションやビルと違い、防水性を考慮して3面接着のノンワーキングジョイントになっているケースがあり、シーリングの撤去はかなりの技量と根気が必要です。
当社では、シーリングの全面撤去を基本的に提案させていただきますが、採用された場合は、シーリング工事だけはシーリング専門業者さんに外注します。塗装もシーリングもやる職人さんより毎日シーリングだけをやっている職人さんの方が技量は優れていると思っています。
ヘーベルハウスの建造物はシーリングが生命線です。シーリング工事の品質は特に神経を使います。
当社のシーリング工事のポイント
・重要なシーリング工事だけは専門業者に外注(全面撤去の場合)
・シーリング材は超耐候のオートンTF2000を使用
・増し打ちの場合でも、シール厚は5ミリ以上を確保、確保できない目地は打ち替え
・シールの乾燥に冬場で1週間、夏場で3日以上は養生期間を確保する
・増し打ちの場合でも、劣化している箇所は打ち替える
・設備周りもしっかりとチェックし必要に応じて打ち替える
シーリングの品質は、既存状態を判断する診断者の技術力に頼るしかありません。そのため、業者選びは慎重におこなってください。
ALCパネルに適した塗料

ALCパネルは蓄熱性の高い素材で、表面は弾性吹付が一般的です。弾性系の塗膜の場合、熱によって塗膜がやわらかくなり、膨張してフクレが起きることがあります。そのような下地の上に塗装すると新しい塗膜もフクレてくる可能性があります。この場合は、既存の弾性吹付けタイルをすべて除去する必要があります。
ALCパネルの塗装においては、下塗り塗料の選定が重要です。通常は、微弾性フィラーというものを使用します。微弾性フィラーとは、4つの特長があります。
・下地と上塗りとの接着剤の役割
・上塗り塗料の吸い込みムラを抑える役割
・軽微なひび割れを補修する役割
・段差のある下地を平滑にならす役割
現状のALCパネルの劣化が著しい場合、微弾性フィラーの塗装前に、エポキシ系のシーラーを塗装します。上塗り塗料には、水性系塗料か弱溶剤塗料であれば問題なく塗装ができます。例えば、・水性シリコン・弱溶剤シリコン・水性フッ素・弱溶剤フッ素・水性無機塗料 ・弱溶剤無機塗料など
その他の注意点
シロアリ対策
過去に施工させていただいたお客様でシロアリの被害で大変な思いをしたお客様がいらっしゃいました。ベランダ床の塩ビシートのメンテナンスを怠り雨漏りし、居室には症状がなくても床下に水が回っていることがあります。そのような場合、シロアリが発生しやすい環境になっていることも考えられます。シロアリ対策もご検討してください。当社でもハウスメーカーよりもお得なシロアリ対策を行っております。ご相談ください。
経験豊富な業者に依頼しましょう
ALCは一般的なサイディングやモルタル壁と比べて外壁塗装が難しい外壁材です。ALCパネルに適した塗料と工法を選定できる経験豊富な業者に依頼しましょう。
ヘーベルハウスの外壁塗装の実績が豊富な全国の優良塗装店をご紹介することも可能です。お気軽にご相談ください。
ヘーベルハウスの外壁塗装・屋根塗装をお探しなら市川塗装へ
AKIHIKO ICHIKAWA