塗装工程は、三度塗りが基本です。一回目の塗装である下塗りでは、シーラー、プライマー、フィラーといった種類の塗料を使用します。シーラーとプライマーはよく似たものですが、塗装の現場では「シーラー」と「フィラー」は明確に使い分けされています。
「シーラー」と「フィラー」はどう違う?
シーラーは、英語では接着する、覆い隠すという意味があります。下塗り時には、モルタルやコンクリートなどの吸込みのある素地に使用します。シーラーは下地との密着性を高める目的があります。
一方のフィラーは、充填材や詰め物といった意味の英語です。フィラーは、凹凸のある塗装面の下地を埋め平滑にします。ひび割れが発生している塗装面の補修にも使われています。
シーラーの特長や価格
下塗りで使われるシーラーは、中・上塗りとの塗装面の密着性を高める重要な塗料です。上塗り材には密着性がないので、下塗りのシーラーが特に重要な役割を果たします。
下地補強という意味合いが強く、下塗りの出来次第で上塗り塗料の塗膜性能が十分に発揮されます。塗料を吸込みやすい下地も多いので、シーラーをたくさん塗ることで吸込みや吸込みムラを防止します。
シーラーには、水性と油性タイプが存在します。水性は臭いが少なくなりますが、浸透性が低いので乾燥時間が長くなります。油性は浸透性が高く、乾燥時間が短いというメリットがありますが、臭いがきつくなります。
シーラーの単価の目安は、1平米あたり600~900円です。シーラーは、下塗りという重要な塗装工程ですので、下塗り工程を飛ばすことはないと考えてください。「シーラー」とよく似た塗料に「プライマー」があります。名前は異なりますが、一般的には、プライマーとシーラーは同じ意味で使用されています。
フィラーの特長や価格
フィラーは、凹凸や段差のある下地、クラックの入ったモルタル外壁材などによく使用され、フィラーを塗ることで塗装面を平滑にすることができます。下地調整材のような役割です。
フィラーは、厚めに塗りますので、塗布量が2倍以上になる砂骨ローラーを使います。高粘度の塗料で、顔料や骨材、セメントなどの無機成分を多く含んでいます。フィラーで最も使用されている塗料の種類は、微弾性フィラーです。
微弾性フィラーは、シーラーとフィラーの機能を兼ね備えています。ヘアクラックの多いモルタルの外壁材でよく使用されています。微弾性フィラーの単価の目安は、1平米あたり900~1200円です。