カビの多い場所には「防カビ塗料」
お住まいの水回りには、よくカビが生えています。乾燥しやすい地域では、比較的カビの発生は少なくなりますが、日本の気候は、冬以外は多湿です。お住まいのいたるところにカビが発生・発育しやすい環境にあります。
防カビ塗料にはどんな効果がある?
カビを防ぐ目的で販売されている塗料に「防カビ塗料」というものがあります。マンションの低層階や海や川の近くの戸建て住宅では、湿気が多く日照条件が悪いとカビが発生しやすくなります。
冬は乾燥しやすいのでカビの発生は少ないと思われるかもしれませんが、古い住宅や気密性の高いマンションでは、結露からカビが発生しやすい環境が多くなっています。
そんなときに使用する防カビ塗料ですが、通常の合成樹脂塗料に防カビ剤、抗菌剤、防腐剤などの化合物を添加していますので、各種塗料のグレードに防カビ機能をつけた塗料が存在します。
防カビ塗料は、コンクリートだけではなく、モルタルや鉄部にも使えます。特に木材・木部はカビによる腐食が多いので、木部専用の防カビ塗料があります。
カビの種類に対応した防カビ塗料を選ぶ
カビには、いろいろな種類があります。JIS規格でもカビは13菌認定されており、3~5種のカビに対して有効であることが「防カビ塗料」としてJIS規格に認定される条件になります。
お住まいの外壁や木部に発生しているカビがどのようなカビなのかをよく確認してから、そのカビ予防に対応する防カビ塗料を選ばないと、防カビ効果が十分に発揮されないので注意が必要です。
カビの発生しやすいところに使用
ウッドデッキや軒天などは、雨にさらされやすい箇所です。木部もカビやすく、腐食しやすくなっていますので、屋外用の防カビ機能を持つ塗料を塗ります。
防カビ塗料は、通常の塗料に添加するタイプと防カビ剤が混合され外壁に直接塗ることができるタイプがあります。塗装時は、塗装箇所や使用する塗料に合わせて自由に使い分けています。防カビ性能の高い塗料としては、エスケー化研の防カビ・防藻型バイオ塗料「バイオタイト」が有名です。
防カビ塗料を使うときの注意点
防カビ塗料を使う前には、カビ取り剤ですでに発生しているカビを取る作業が必要です。カビ取り剤で殺菌し、漂白してカビを落とします。十分乾燥させた後、防カビ塗料を塗布します。防カビ塗料は、しっかり乾燥させた後に二度塗りをおすすめします。
ボードなどでカビが深部にまで増殖している場合は、ボードを全て交換する工事になります。カビの除去が難しい珪藻土壁の場合も、全て剥がした後に新しい防カビ仕様の珪藻土壁を塗り直します。作業時には必ずマスクを着用し、カビの胞子などを吸い込まないようにしましょう。
通常の塗料に防カビ性能を追加する添加剤を加えると、およそ数万円の価格上昇になります。また、防カビ性能を加えた塗料は、塗料のグレードにより価格が異なります。一般的な30坪のお住まいに防カビ塗料を使用した場合は、およそ80~150万円が施工費用の目安です。